05話 使徒の祝福
下ネタばかりで済みませんw
直ぐに飛び起き、服を着て❛聖なる地図❜で確認。
自分のいる場所は玉座の間から離れた部屋だった。
慌てているのか、サラは[MAP玉]を使っていないようで玉座の間に向かっている。
[青▼]で確認し、サラの背後に俺は転移した。
「落ち着け、サラ」
ハッとして振り向き、俺を見ると鬼のような形相から泣き顔に変わる。
「ご、ごじゅじんざま…ごぶじでじだか…」
両手で顔を押さえて泣き出してしまうサラ。
…罪悪感ががががが
「…ああ、連絡しなくてごめんね?心配かけちゃったね」
「あ゛ぃ…あ゛ぃ…」
御免御免と言いながらサラの頭を撫でていると、ピタリと泣き止み、次いで「…女の匂いが致します」
と言い、怪訝そうな表情になる。
「な、なんの事かなぁ~?」
ここは白を切る。――俺の命の為に!
「兄貴!ソイツから離れろ!」
そうこうしている内に、コテツちゃんを先頭にしてドタドタと兵隊が集まって来た。
「待て待て!…ゴメン、この子は俺の従者だ…昨夜俺が帰らなかったのを心配して来たらしい」
「…何だそうだったのかよ…。カチコミの割にゃあ軽症者しかい無ぇと思ったが…。お前ら!あの黒服は賊では無く”使徒様の従者”だそうだ!…解散!」
わらわらと散っていく兵達。
良かった…無駄な戦闘は無くなった。一応和平の使者なんだしな。
ホッと胸を撫で下ろしたが、「…女の匂いが致します」と呟き続けるサラをどうしようか…。
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「心配ないからさ、城に戻っていいよ?サラ?」
「…女の匂いが致します」
「あ、こちらがエルフのダールトン・シルフィー王、獣人のコテツ・サクラ王、ドワーフのドンゴ・アイアン王ね」
「…女の匂いが致します」
「…え~と…」
玉座の間に入ってからも、サラの呟きは治まらない。
「がははっ…兄貴、この娘も兄貴の”嫁”候補なのかい?」
「はっ!コテツ・サクラ王!…私の名はサラと申します。ご主人様の従者に御座います…一生涯、御側にいる者で御座います!」
コテッちゃんの”嫁”という言葉に反応し、サラが我に返った。
「ふっはははは…健気な娘だね~」
「マサちゃん、騙すのも可哀相だから本当の事を教えてあげたら?」
…ダーちゃん…ドンちゃん…この裏切り者め!
「本当の事とは?…ダールトン・シルフィー王にドンゴ・アイアン王。どうぞ御教え下さい」
ギロリと俺は二人を睨み付ける。
プイと目を逸らす二人。
「ん?兄貴が昨日、女と寝た事か?」
この馬鹿獣人が!空気読めよ!
コテッちゃんがあっさりとばらした。
「…女と寝た…」
ブツブツと呪縛Rushに突入するサラ。
「いや、ちなうんだよ?サラ…ちがく無いけどさ…。俺だって偶には女を抱きたかったんだよ~~~――――ゴメンなさい」
もうね、素直に謝りましたよ。ええ。土下座です。
「なんだよ兄貴!小娘の尻に敷かれてるんかよ…がははははっ!」
「「ブフーーッ!!」」
燥ぐ三バカ共。
「「「なんの騒ぎですか!!!」」
バタンと扉を開けて、三人の女性が入室して来た。
エルフ・獣人・ドワーフだが、それぞれ美人だ。
❛神の眼❜を使う。
三国の王妃だった。
エルフ王の王妃
【名前】エミリア・シルフィー
【年齢】26歳
【種族】エルフ
【状態】正常
【属性】風・水
【職業】エルフ国王妃・魔法師
Lv:40
HP:1560/1560
MP:2720/2720
【称号】なし
獣人王の王妃
【名前】ミクル・サクラ
【年齢】27歳
【種族】獣人
【属性】火・水
【状態】正常
【職業】ブック・ベア国王妃・魔法師
Lv:39
HP:1564/1564
MP:2326/2326
【称号】なし
ドワーフ王の王妃
【名前】バーバラ・アイアン
【年齢】30歳
【種族】ドワーフ
【状態】正常
【属性】火・土
【職業】ドワーフの王妃・鍛冶師
Lv:38
HP:1759/1759
MP:116/116
【称号】なし
面倒臭いのでそのままの姿勢で挨拶をする。
「初めまして、私は人間国の和平の使者、山田聖人です。…こちらに控えるのが私の従者、サラで御座います」
「まあ、正座でご挨拶なさるとは今時珍しい御方。…貴方様が夫の話していた”神の使徒”様で在られせられましたか…私はエルフ王妃、エミリア・シルフィーにご座います。右側が獣人王妃のミクル・サクラ。左側がドワーフ王妃のバーバラ・アイアンでご座います。御見知り置きを」
「「初めまして、使徒様。御見知り置きを」」
虚ろな目で「…女と寝た…」と繰り返しているサラ。
…居た堪れない。
どんな拷問だよ、この場所は!
ダーちゃんが王妃達に耳打ちをしている。
この状況を説明しているんだろう。
するとエミリア王妃がサラに近付き「許して御上げなさいな、サラさん…殿方にはそういう事も必要なのですから…」
そう言ってサラの肩をポンと叩く。
「…必要?」
我に返るサラ。
「はい。…使徒様が御抱きに成ったのは”ミドリ”と申す商売女。一時の快楽を求めただけなのですよ?」
「…商売女?」
「ええ。ですから気に病む必要は有りません。その場限りの関係です」
「…その場限り…」
「そうです。その場限りの女。男なんて、所詮女の乳房には敵わないのですからね…貴女は自分を磨きなさい。必ず自分の元に戻って来るようにね?」
「…必ず自分の元に戻って来る…はい…はい!」
サラの呪縛Rushが終了した。
…大人の女には敵わ無ぇ~な。
この場の男衆は皆黙っちまったぜ。
「但し、浮気はイケません浮気は!…その時は容赦の必要は有りません!」
「「「うひやぁ~~っ!!!」」」
股間を押さえて慌てる三バカ。
…さてはお前ら、浮気した事があるな?そして折檻されたと…怖い怖い。
「…ご主人様。結婚したら浮気は許しませぬ!」
星○馬の様に瞳を燃やすサラ。
…結婚を前提に付き合ってないよ!
一緒にいて良いって言ったけど!
「サラ…結婚するとは言って無いよね?…俺」
「な、何と!…”ず~っと護ってやる”って!…”ず~っと一緒にいて良い”って仰り、優しく抱きしめてくれたではありませんか!!」
「「「「「「ええっ!!!」」」」」」
ちょ、俺はロリコンじゃ無ぇ!
誤解を招くような言い方するなよな!
「…え~ゴホン。皆さん、誤解なさらないように。彼女を安心させるために抱きしめた事はありますが、女性として抱いた訳では無いですからね?」
「使徒様、それでは余りにも彼女が不憫です!」
サラの傍に来て手を握りしめ、ミクル王妃が俺を責める。
「…皆さん、彼女は未だ12歳の子供。人生の先は長いのです…俺の様な50歳の男に囚われる方が不憫かと…」
「そんな!…聞けば彼女は貴方様の身を案じ、単身此処まで乗り込んで来たと言うではありませんか!」
そう言って今度はバーバラ王妃がサラの頭を抱き抱える。
…俺はなんで悪いやつにされてるんだろうか?
そこの三バカ!ニヤニヤしてるんじゃ無ぇ!
もうね、何でもいいよ。ホント。
「…はあ…。皆さん、色々な事があって彼女は俺の事を好きだと勘違いしているのかも知れない。もし勘違いで無いとしても、その場の勢いで結婚すれば後々40歳の年齢差を悔やむ事に成るでしょう…ですからね…あと20年――いや、10年経ってもサラがその気で居るのであれば、私も考えますが…ただ、その時は私も老人。彼女にはその覚悟をする時間が必要です…な、サラ」
「…そのような事は問題ありません。ご主人様が死んだら後を追います」
「そういう事を言うなって。はいはい。あと20年経ったら考えようね?」
「十年って言いました!」
「「「ちょっとまった!(た!)」」」
「あら、娘の声が…何処から?」
…サラ!お前また実況中継してたんか!
サラのネックレスに手を当て《送受信停止》を唱えた。
次に❛聖なる箱❜から[電話玉]3個を取り出して王妃に手渡す。
使い方の説明をすると直ぐに三人が話を始めた。
「ゴメンねサラ」そう言いながら俺はサラの頭を撫で続ける。
「…いいんです。ご主人様。…既に”結婚”の言質を戴きましたし…後は乳房が大きくなるのを待つばかりで御座います…グフッ…グフフッ…」
いや、王妃の話しは胸の大きさの話しじゃ無いと思うよ?
女心は俺には分からんが。
「「「ええっ!!結納の品を貰った!?」」」
次いで大声を上げる王妃達。
あー、面倒臭ぇー。
また一から説明するんかよー。
三バカに視線を移して顎を王妃の方に動かす。
文字通り顎で使うのだ。
コテツちゃんだけ首を傾げているので「コテツちゃん、王妃に説明して」と話した。
「なんだよ兄貴、初めからそう言ってくれよなぁ…俺はまた顎が痛いのかと思ったぜ…」
他の二人はちゃんと分かっただろうが!
「成程、分かりました。誤解という事で御座いますね?」
「はい。誤解です」
…良かった。王妃三人は理解してくれたようだ。
「使徒様…マサト様は、今すぐに結婚致す気は無いと…ただ、サラさんもそうですが”家の娘にもチャンスがある”訳で御座いますね?まあ、全員一緒に貰って戴いても宜しいかと」
前言撤回。理解してないわ。
もう頭痛く成って来た…。
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「で、人間国の和平の使者として来たわけなんですよ。約束を違える様であれば、俺がキャサリン・ミドルランド女王を許しません。ウェストランド国には友人のグスタフ・バレンタインという男も居りますし、ウェストランド国王も私に恩がありますから戦は起こらないかと。昨夜、三国側の王達にも約束して貰いましたから、これで和平の成立です」
「成程。では、やはり娘達をマサト様に貰って戴かないと平和が続きませんわね」
結婚の話しから逃れるため、強引に和平の話をしたのだが元に戻ったでゴザル。
「まあ、マサト様。私達はOKですので、後は娘達に任せますわぁ~うふふふふ」
「……」
うん、もうマンドクセ
「それにマサト様、本来であれば世界中の者が”魔王”に殲滅されていた可能性があるのです。貴方様はそれを御救いになった。なのに驕る事もなく偉ぶる訳で無し。そのお人柄に何の文句がありましょうか。娘たちを力ずくで奪っても、貴方を責める者は居ないでしょう。貴方を慕う娘たちの気持ちも分かりますわ」
「…自分の”力”ではありませんからね。神アマテラス様から授かった力で何を驕ればいいのですか?第一、だからと言って、皆さんの…子供達…年端の行かない少女をどうこうするなど、思ってもいません」
ロリに手を出す心算は全く無い!!
それに、本来の俺は本当に凡庸な男だなのだ。
「うふふふ…そういう貴方様だから慕われるのですわ」
微笑みを浮かべながら話すエミリア王妃。
他のラノベの様に、15歳位になって転移してたら俺も違っていたかも知れないなぁ。
そう思っていたら、エミリア王妃の隣に座るミクル王妃が急にキツイ顔になった。
なんだ?
「…どうかしましたか?エミリア王妃?」
するとボソリと話し始める。
「…マサト様が一夜を共にした”ミドリ”。本来であれば我が兄、ジュウロウの嫁になる筈でした…」
獣人王妃の兄という事は、コテッちゃんの義兄弟って事だよな。
コテッちゃんの方を見ると、目を閉じて腕組みをしている。
どういう事だ?
「…何かあったのですか?」
「ミドリ姉さんは家の近所の娘でした。…子供の頃は私も可愛がって貰いましたし、そして、兄ジュウロウの許嫁でした。…昔から美人でしたからね、言い寄る男も多かったのですが…12歳のある日、夜道で数人の男に暴行を受け…子供の産めない身体に成ったのです。…いえね、使徒様が”年端の行かない少女をどうこうするなど”と言われた時のお顔が、そういうモノ達を蔑むような顔を致しましたので…世の中そういう男性ばかりなら、ミドリ姉さんもあんな目に合わなくて済んだかもしれないと思い、つい話してしまいました…お耳汚しでしたね、お忘れ下さい」
「…いえ、出来ればもっと詳しくお聞かせ下さい」
俺に一晩の安らぎをくれた女性だ。
「…獣王王家では”子の産めない”女を嫁にする事が出来ません。暴行によりミドリ姉さんは子供の産めない身体に成りました…そして兄との結婚を諦めたのです」
自分が関わってしまった所為もあるのだろうが、ミドリさんに感情移入してしまう。
辛かったろうに、それを微塵にも見せない強さが彼女にはあるんだ。
俺がお腹を触った時、冗談めかして手を胸に持って行った彼女はどんな思いでいたのだろうか。
久し振りに女性を抱いた感触に溺れ、自分勝手な事ばかりを考えていた事に腹が立つ。
この馬鹿野郎が!!
「二人は愛し合って居りましたので、今年三十六になる兄ジュウロウは独身を通しています。ミドリ姉さんも三十五。結婚をさせてあげたいとは思うのですが…王家の掟もありますので儘なりません」
「お二人は”今も”気持ちは変わらないと…?」
「兄は足しげく店に通っていますから…多分」
…それは何とかしてあげたいな。
「…単刀直入に聞きます。35歳と言えば、喩え身体に問題が無かったとしても、子供の出来る可能性は低いですよね?」
「はい。…ですが、それは問題では無いのです。夫婦になって結果的に子供が出来ぬのと、初めから子が産めぬ事が分かって結婚出来ないのは違います。…子供がいればいた成り、居なければ居ない成りの幸せが御座いましょう?夫婦には。私が国王に嫁いだため、兄にも国王との繋がりがあります。子供の産めないミドリ姉さんを娶るのは……」
――夫婦の形…幸せの形か…。
「…二人と話しがしたい。ここに呼んでいただけませんか?」
「ちょ、兄貴!呼んでどうするんだよ。――そういう愛し方があったって良いじゃ無ぇか。そっとしておいてやろうぜ?」
「コテッちゃん…俺がミドリさんを”治して”あげたいんだよ!」
俺の真剣な表情が分かったのだろう。
コテッちゃんは黙って部屋を出て行った。
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20分ほど経ち、コテッちゃんに連れられてジュウロウさんとミドリさんが入室した。
一通りの挨拶を終えて、先ずは二人の意思の確認だ。
いや、確認出来なくてもミドリさんの身体は治す。
「…ジュウロウさん、貴方は今でもミドリさんを愛していますか?」
「…はい。他の女と夫婦になる心算はありません」
単刀直入に尋ねると一瞬戸惑う表情をするが、ハッキリと答えた。
「ミドリさん、貴方はどうですか?」
「マサト様、御戯れはお止め下さいな。私の様な石女。ジュウロウ様と夫婦に成れる筈は御座いません。…御用がそれだけなら、私は失礼致します」
そう言って部屋から出て行こうとするミドリさん。
「❛聖なる陣地❜!」
俺を中心に足元から円環状の白い魔力が広がって行く。
不思議な現象にミドリさんの足が止まった。
床の上をグルグルと回る純白の円環に、皆も唖然としている。
「ミドリさん…俺は貴方の身体を治してあげたいんです」
「…マサト様、皆から私の話を聞いたのですね…憐れむのはお止め下さい。結婚は出来ずとも、店でジュウロウ様に逢えるだけでも幸せなのです…」
これは相当のパフォーマンスをしなければ信じて貰え無いか…。
❛聖なる箱❜から[オリハルコンの盾]を取り出し、床の上に裏返して置く。
受け皿代わりだ。床が燃えたら困るからね。
服を脱ぎ、上半身だけ裸になる。
左腕に❛聖なる軟化❜を唱えて軟らかくした。
「ジュウロウさん、その腰の刀を貸して下さい」
ジュウロウさんの腰には”日本刀”の様な刀が装備されていた。
「…どうぞ」
「ご主人様!何を致す心算で御座いますか!」
慌てたサラが声を荒げる。
「心配無用だよ、サラ」
そして刀には❛聖なる硬化❜を唱えた。
「…ミドリさん。俺は貴女の身体を治す。だが、腹の中は目に見えないでしょう?信じて貰う為に――セイヤッー!!」
右手に持った刀を左腕に振り落とし、腕を斬り落とした。
痛ぇ~~っ!!
次にドサリと落ちた左腕を[オリハルコンの盾]の中に置き、❛聖なる火❜を唱える。
ここは徹底的にやる!
独特の臭いを出して、メラメラと燃えあがる左腕。
[オリハルコンの盾]の裏側が黒く成るまで❛聖なる火❜を唱え、遂に左腕は炭に成った。
「この腕を良く見て下さい…❛聖なる完全回復❜!!」
押し当てた布を外し、ボトリボトリと断面から血が溢れ出す左腕を見せてから回復魔法を唱えた。
左腕全体が純白の光りに包まれる。
光が霧散すると、切り落とした左腕が元に戻っていた…。
よかったぁ~成功したよ…。
一瞬”使徒の身体は治せないかも?”と思ったが大丈夫だった。ふぃ~~~っ。
「「「おおおっっ!!!」」」
「「「まあ、なんと!!!」」」
皆が感嘆の声を出す。
少し痛い目を見たが、パフォーマンスとしては成功したか?
「ミドリさん。この通り俺の魔法は部位欠損も治せるのです…貴女のお腹もね」
「な、マサト様…なんて馬鹿な事をするのですか!ご自分の腕を斬り落とすなどと!――私を信用させる為なのですね…其処までされては断れません…宜しくお願いいたします」
床に仰向けになるミドリさん。
「ジュウロウさん、刀を汚して済みませんでした…これ、お返しします…あ、血が付いたままでしたぁ…ああ?」
「このままで結構…貴方の御覚悟、このジュウロウが胸に刻みます」
そう言って血が付いたままの刀を恭しく受け取った。
…まあ、良いって言うんならお言葉に甘えましょう。後で拭いておいて下さい。
そして寝ているミドリさんに近寄り、お腹の上に手を当てて「汝の身体を治す!❛聖なる完全回復❜!」と唱えると、全身が純白の光に包まれた…。
序に❛聖なる贈与❜で”光属性”を与え、❛聖なる大回復❜の魔法を与えた。
「ミドリさん…目に見えないから心配でしょうが、大丈夫です。必ず治っています…それと、序に貴女に”光属性”と、大回復魔法の❛フルヒール❜を与えました。これは部位欠損以外の大怪や、病気・毒・呪い・マヒ・石化など、状態異常などを治す魔法です。毎晩お腹に1回唱えれば、きっと子供を授かる事が出来るでしょう」
…❛フルヒール❜にそのような効果があるかどうかは分からないが、信じる者は救われて欲しい。
「「有難う御座います…」」
お腹を擦りながら涙を流すミドリさんと、裏が炭で黒ずんだ[オリハルコンの盾]を掲げるジュウロウさん。
「家宝に致しますので、この盾も戴きたく…」
「そんな物で良ければどうぞ」
「ははっ」
二人は手を取り合って涙を流し、抱き合っている。
「これで二人は夫婦に成れるんだよね?コテッちゃん?」
「ああ!これで目出度く結婚できらぁ…兄貴!序にジュウロウに❛硬化❜の魔法も授けてやってくれよ!最近アッチがめっきり弱くなったって言うからなぁ…あの魔法は効くわ…がははははっ」
「…ポッ…一晩中、大丈夫でした…」
急に頬を染めたミクル王妃がボソリと発言する。
…お前、本当に使ったのかよ!
「「…一晩中!?」」
ギラリと二人の奥様の目が光る。
そして旦那の方に目を向けた。
「「ちょ、待って!ちゃんと月に一度の務めは致しているだろう!」」
慌てるダーちゃんとドンちゃん。その年で月一は不味いんじゃない?
「そうか!これで俺達ゃ本当に兄弟だ!…何たって俺もダーちゃんもドンちゃんも、ミドリを抱いた事が「――おらぁ!!」…モゴーー!!」
バカめ!折角の良い雰囲気が台無しだ!
一瞬で[拘束道具(人用)]で緊縛してやる。
床にゴロンと成り、身を捩っているコテッちゃん。
「「マサト様!私達にも❛硬化❜の魔法を!」」
「はいはい、❛聖なる贈与❜で❛聖なる硬化❜っと!」
「「キャァーー!!」」
燥ぐ王妃達。
「「馬鹿なーーー!!」」
嘆く国王達。
「ああ、序にミクル王妃には❛聖なる軟化❜を与えます…これを唱えればコテッちゃんは絶対浮気出来ませんからね?」
「モゴーーーー!!」
「「マサト様!私達にも❛軟化❜の魔法を!」」
「「ギィーヤァーーーー!!」」
はあ、全く煩い集団だ…。
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【名前】ミドリ
【年齢】35歳
【種族】獣人
【属性】光 ←new
【状態】正常
【職業】スナックのママ・神官 ←new
Lv:9
HP:425/425
MP:30/30
【称号】使徒の祝福を受けし者 ←new
――不妊で悩む男女に❛フルヒール❜を掛けると本当に子供が生まれる事が分かり、後にミドリは神殿に勤める事に成ったという。
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祝言は後日盛大に行う事と成り「「有難う御座いました」」と、礼を言いながら二人は退室した。
うん。どうぞお幸せに成って下さい。
そして俺は背広の襟を正して、再び正座をする。
重鎮が集まっているのだ、サラの事を説明する機会だろう。
「…次は私の話を聞いてください。ここに控える少女、サラと申し私の従者で御座います。”鑑定の宝珠”で確認すれば一目瞭然ですが、”称号”に”神の使徒の従者”と付いた、正真正銘の従者で御座います。ここに来るまでに彼女が致した暴行、此れは私の責任。責めるのであれば私を責めて下さい。慰謝料が必要であれば、それも私が捻出致します」
そう告げて頭を下げた。
「な、なんだよ兄貴!急に改まって」
「「そうそう、俺達は友達だろう?」」
「――皆さんとの因縁があるのです。この12歳の少女、親の顔も覚えておらず、また、此れまでは”奴隷”として生活を送って参りました。私が”奴隷契約”を破棄して判明したのが、サラの本名は”サラスティア・イーストランド”。このブルー・フォレスト国の元王女で有ったのです…」
前回ミドリの【状態】が正常になっているのは、ネタバレを防ぐためでした。




