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太陽伝承  作者: 偽善の仮面
第一章 名を忘れた主人
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第一章 名を忘れた主人 第七話 王との面会

 

 

宿の受付までやってくれば、受付近くにあるソファに座っているヴァッサーを見つける。

導は、小走りでヴァッサーの元に近づく。


ヴァッサーも立ち上がって、満面の笑みを見せる。

 

ヴァッサー

「おはよう!導ちゃん」


神陽導

「おはよう!ヴァッサーちゃん」


シヒル

「おはようございます。ヴァッサーさん」


ヴァッサー

「シヒルもおはよ!」

「それじゃ、今日は僕のお友達に会いに行こう!」


シヒル

「ヴァッサーさんのお友達…まさか…」


シヒルは、そんな事を小さな声でブツブツと呟いていた。

その言葉は、導達には、ほぼ聞こえておらず無視され、ヴァッサーと仲良く会話していたのであった。

 

2人と1匹は、宿を後にする。

すると、目の前には大きな馬車があった。


ヴァッサー

「さっさ!この馬車に乗って!」

「時間がないから!!」


神陽導

「あっ、えっ、わかった」


ヴァッサーは、導の背中を軽く押して、早く馬車に乗る様に催促する。

そして、ヴァッサーたちを乗せた馬車は、そのまま進んで行った。



馬車の中にて…


馬車の中は、ふっふっかで柔らかい肌心地のソファ、ポカポカの太陽の日差しが入ってくる窓

そして、導が馬車の窓から外の様子を見た。


そこは、構造物を使った水のアートが広がる中世ヨーロッパの街並みに変わっていた。


神陽導

「わぁ〜綺麗…」


シヒル

「ワープ装置で、ラント王国まで来たんですか?」


ヴァッサー

「うん、そうだよ〜!」


神陽導

「ワープ装置?ラント王国?」


シヒル

「ワープ装置は、“ 先(・)代(・)最(・)上(・)級(・)神(・) ”の“ マロン ”さんが創り上げた装置なんですよ」

「神界は、広いですから…主人様がいた地球と言う土地の3倍くらいですからね」


ヴァッサー

「んで、ラント王国は、僕のお友達国家なんだよ」

「ラント王国は、水を使った芸術作品とか多いんだよ!他にも彫刻とかも有名だね」


それから数分ほど、馬車で移動していると、馬車が止まった。

そして、馬車を運転していた人が、扉を開けてくれた。


馬車から降りると、目の前には雲を突っ切りそうなほどの高い城が、あった。

導は、「ギョッ」としていた。首が痛くなるほど高い高い塔のたつ城

 

塔の上には、ラント王国の旗の様なものが、強い風に靡いていた。

シヒルは、導の肩に乗って、一緒に上を見上げる。


ヴァッサーが、シヒルの乗ってない方の肩を「ポンポン」と軽く叩く。


ヴァッサー

「ほら、お友達に会いに行くんだから、行くよ!!」


ヴァッサーは、導の両手を握って、城へと続く階段へと引っ張って一緒に階段を登る。


階段を登っている間、導の脳裏に疑問が湧く。

「なんで、私、お城の階段登ってるの?」

と…


神陽導

「ねぇ、なんで私、こんなところ歩いているの?」


ヴァッサー

「友達に会いに行く為だよ」


シヒル

「補足ですが、ヴァッサーさんの言うお友達は、ここの国王さんと秘書さんの事ですよ」


導の足が止まって、間抜けな顔で「ポカーン」とする。

ヴァッサーが疑問に思っていると、シヒルが呆れた顔で、ヴァッサーに言う。


シヒル

「ヴァッサーさん、主人様には「お友達に会いに行く」としか言っていません」

「どんな人なのか、聞かされていないんですよ…」


ヴァッサー

「あっ…忘れてた☆」


ヴァッサーは、手を頭に置いて、「テヘ、ペロ」と小さく下を出していた。

シヒルは、呆れるばかりだが、導のことを心配するに様に視線を移すと…


導は、手をグーにして前屈みになると


神陽導

「どんな人なの!」

「私、めっちゃ偉い人に会うんだよね!?」


シヒル

「地位の高さで、言ったら主人様の方が上ですー」


ジト目でそう言う。


神陽導

「えっ!?」


ヴァッサー

「ほら〜ほら〜早くしないと怒られちゃうから!」


神陽導

「あっ、えっ、待ってよ!」


ヴァッサーは、導の手を引っ張って城への階段を登る様に誘導する。

100段近くはあるであろう階段を登り、ヴァッサーが三枚の手紙らしきものを門番に見せると同時に、大きな門が開いて水色髪にメガネをつけた女性が立っていた。


ヴァッサーの顔が明るくなる。


ヴァッサー

「おはよ!レプブリッカ!」


レプブリッカ

「ハァ…5分遅刻ですよ…ヴァッサーさん」


ヴァッサー

「仕方ないじゃん」

「お友達連れてくるのに、ちょっと苦労しちゃっただけだもん」


レプブリッカ

「ハァ…」

「あなたですか?ヴァッサーさんの言う“ お(・)客(・)さ(・)ん(・) ”は?」


呆れながらも、導の顔を見て質問をするレプブリッカ


神陽導

「うん、多分?」


首を傾げながら、少し疑問系に答える。


レプブリッカ

「なんで、疑問系なんですか?」


シヒル

「ヴァッサーさんが、ほぼ説明なしに連れて来たからですー」


ジト目で呆れた様にまた補足を入れるシヒル


ヴァッサー

「ちゃんと、説明したもん!」


少しあわあわしながら答え、視線を逸らし冷や汗をかいている。


ヴァッサーと導以外は、ヴァッサーの性格を知っている故に、「ハァ…」とため息をついて呆れるだけで済んでいたが、導だけは、ずっと首を傾げ状況をあまり理解していなかった。


レプブリッカ

「まぁ、此処での立ち話は少し危険です」

「中に行きましょう」


ヴァッサー

「そう来なくっちゃ!」


そう言って、レプブリッカと呼ばれた少女が先導する形で、門の奥へと立ち入る。

ヴァッサーは、時折り後ろを振り向きりむきながら導の様子を見る。


門の奥は、中庭だったが、岩でできた彫刻と綺麗な池や水路を使った大規模なアート作品の様な中庭だった。

そして、大きな扉を潜って、城の内部へと入る。


大きな廊下の両側には、鎧の彫刻が均等に配置されていた。

建物中は、中世ヨーロッパの外観をしていたとは思えないほど美的センスが溢れた構造だった。


一つ、一つが緻密にそして繊細に作られている。


謎の幾何学的な模様の入った台に乗れば、景色が変わる。

導の肩に乗っているシヒルに、聞けば…


シヒル

「これは、簡易的なテレポート装置です」

「主人様が、いた人間界の言葉で言えばエレベーターの役割しか無いテレポート装置だと思っておけば大丈夫です」


神陽導

「もしかして、これも…」


シヒル

「はい、“ 先(・)代(・)最(・)上(・)級(・)神(・) ”様の“ マロン ”様がお造りになりました」


神陽導

「すごい…」


レプブリッカ

「そこ…なに小声で喋っているのですか?」


神陽導

「あっ、えっと…」


導は、急に話しかけられたことにびっくりしてテンパってしまう。


シヒル

「テレポート装置の説明をしていたまでです」


レプブリッカ

「なんで、テレポート装置のこと知らないの?」

「神界の民なら、普通に知ってることなのに…」


ヴァッサー

「まぁ、ちょっと特殊な事情があるんだよね〜」

「それは、レプブリークが揃ってから説明するから!」


ヴァッサーが、そう言えば少し不満そうな顔をして再び前を向いて案内を続ける。


そして、行き着いた場所は、どうやら執務室の様だ。

デェスクの周りには、書類らしきものが散乱しており、一人の男性が書類を見ながら、悩んでいた。


その男性は、茶髪のロングヘア、頭に王冠を付け、白いまつ毛に黒い瞳、首には白い赤目の蛇がいた。

ヴァッサーは、蛇を見た瞬間に顔を引き攣らせていた。


ヴァッサー

「ヤッホー!カッコいいカッコいいレプブリーク!」


レプブリーク

「………なんだ。ヴァッサー、遅刻しておきながら…」


ヴァッサー

「それ指摘しないでよ!」

「国内の問題とお友達連れてくるのに、ちょっと時間かかちゃっただけなのに!」


ヴァッサーは、頬を「プクッ」とさせて目を瞑って答える。

レプブリークと呼ばれた男が、顔を上げる。


イケメンと言われそうな凛々しくも洗練された顔立ちの人だった。


神陽導

「わぁ〜カッコよ…」

 

レプブリークの視線が、導へと移動する。


レプブリーク

「君が、ヴァッサーの友達か?」


神陽導

「うん!」


レプブリーク

「で、その肩に乗せてる生物は?」


神陽導

「なんて、紹介したらいいんだろう?」


レプブリッカ

「敵国のスパイじゃないでしょうね?」


レプブリッカが、警戒心を丸出しにした様な声で言い放つ。


神陽導

「それは、絶対ないもん!」

「この子は、シヒルって言って私の大事な“ 親友 ”なんだよ!」


レプブリーク

「シヒル?……」


シヒル

「改めて、自己紹介をしますと…」

「私は、“ 七(・)代(・)目(・)最(・)上(・)級(・)神(・) ”の“ 秘書 ”であり、“ 大親友 ”のシヒルです!」





作品を読んで頂き誠にありがとうございます。

もし、この作品が良ければブックマークや星を押してくれると、作品制作が捗るのでよろしくお願いします。


次回もお楽しみに、お待ちくださいね♪


________________


次回

 第一章 名を忘れた主人 第八話 忘れても覚えてる人々

 


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