第一章 名を忘れた主人 第十八話 恐怖
フェルスが、結晶をしまう。
すると、地面から「ニョキ」と地面が伸びて来る。
導が、「ギョッ」としていた。
何せ、“ 地面 ”が“ 生物 ”の様に…動いているのだから…
伸びた地面から、箱が現れた。
フェルスは、その箱を「パカッ」と開けると…
そこから、水色の液体の入った蓋のされた試験管と一粒のカプセル薬を取り出す。
フェルスが跪き、導の顔を掴むと、無理矢理口の中に“ カプセル薬 ”を入れ、水色の液体を飲ませる。
フェルスは、導の口を閉じて飲み込ませる。
神陽導
「ゲホッ…ゲホッ…ちょっと!何飲ませたの!?」
「もしかして、毒!?」
フェルス
「……毒だったら、ほんとによかったな…」
神陽導
「えっ…」
フェルスは、そう言った。
そう、小さな声で言って部屋から立ち去った。
導は、その光景をただ哀れみに近い眼差しで見る事しかできなかった。
__________
廊下に「ポツン」と1人で歩いているフェルス
そして、一番奥の部屋まで行けば扉を開けようとドアノブに手を掛けようとしてやめた。
代わりに、地面の方を見た。
フェルス
「俺は、ちゃんとお前の計画を果たせるだろうか…」
「三代目…」
近くにあった花瓶が、揺れる。
フェルス
「そうか、“ 俺はお前 ”…“ お前は俺 ”」
「そうだったな…嗚呼、頑張るから…お前も頑張れ…“ 兄様 ”」
ガチャ
そう言って、ドアノブを捻り、扉を開ける。
ゴツゴツとした壁、茶色のクリスタルの柱、クリスタルを模したマグマの入った電球
クリスタルや岩で出来た玉座へと、フェルスは向かう。
地面が、「ニョキ」と動き、ふわふわのマントを肩にのせ、フェルスの身支度を整えてあげる。
フェルスが、玉座に座る。足を組んで、目を閉じる。
フェルス
「早く“ 契約 ”を遂行しろ」
「使徒。私には、あまり時間がないのだ」
クリスタルの柱の影が、人型へと変化していく。
そこには、フードを深々と被った1人の高身長の人がいた。
フードの人
「えぇ、分かっていますとも」
「フェルス殿」
フードの人は声から察するに男性である事が何となくで分かる。
口調は、狂ってる様な人をバカにする様なそんな感じだった。
フェルス
「導を“ 世界の糧 ”にする装置は、完成した」
フードの人
「おぉ〜それは、お仕事が早くて助かりますね〜」
「では、我々の契約も随時、開始致しましょう」
フェルス
「嗚呼、助かる」
「これで、神界も報われるだろうな」
その言葉を聞き終えたフードを深々と被った人は影の中へと戻っていった。
フェルス
「あとは、任せた…」
ポチャン
水の入った石臼に、一滴の雫が落ちる。
尖った岩が、地面から突き出ている。それは、幾つもの尖った岩が生え続けている。
中央に人が、空中に浮きながら座禅を組んでいる人がいた。
茶髪に藍色のメッシュのショートヘア、灰色のライダースーツの男性だった。
その容姿は、フェルスとそっくりだった。
フェルスとそっくりの男性は、目を閉じて、深呼吸を繰り返す。
ポチャン
また、水の入った石臼に、一滴の雫が落ちる。
フェルスとそっくりな人物
「では、そろそろ始めようか…」
「思い出の為…我々…イーヴル王国の為に」
__________
神界大帝國に、視点が移動する。
辺りが、騒がしくなる。外交官や重役たちが慌ただしく動いている。
レプブリークたちも、一度、自身の国の戻って、今、起こってる問題への解決を模索し始めていた。
そして、神界大帝國の重役会議にて…
手を組み、怒りを露わにしているベリアルが目に入る。
ベリアルの低い声が、周囲に響く。
ベリアル
「で?イーヴル王国からの返事は?」
外交官
「……読み上げます」
「「貴国の願いなど受け入れるはずがない。受け入れさせたければ、力づくで申しつければいい」との見解です」
周囲の重役たちが、「ザワザワ」とする。
神界大帝國側の命令は、絶対であり、“ 神界 ”の総意と言っていいだろう。
それを「拒否する」と言うことは、「“ 世界 ”に反感を売ったも同然」だった。
重役
「国王、これからどうしますか?」
ベリアル
「そんなもの!聞くまでもないだろう!」
「今すぐに、各国に“ 経済制裁 ”の準備とイーヴル王国とは海を挟んでいる隣国のクンペル王国とベツィーウング王国に、こちらの軍を派遣する可能性も伝えておけ!」
感情的な声をあげる。
「ダン!」と机を拳で叩けば、その怒りもかなり伝わる。
外交官
「承知致しました」
ベリアル
「クッソ、アイツは、一体何がしたいんだ!」
髪を掻きながら、そう言う。
そこに、ノックも無しに扉が「バーーーン」と開けられる。
入って来たのは、秘書の“ トゥマイニ ”だった。
トゥマイニ
「ご報告です!」
「先ほど、イーヴル王国と悪の組織が、共同で声明を上げました!」
その顔は、酷く歪んでいた。
他の重役がいった。
重役
「なんだ。ノックも無しに…」
「秘書であっても無礼だろ」
トゥマイニ
「それどころじゃありません!」
「理由は、公表されていませんが、イーヴル王国が…“ 悪の組織と契約を結び ”…“ 同盟 ”を組みました!!」
重役
「なんだと!?」
「お前、それは正気か?!」
他の重役
「そんな、まさか…あり得ない…」
「なんで、そんなバカなことを!」
ベリアル
「えぇ!もういい!宣戦布告でもして、“ 最上級神 ”様をお助けするぞ!」
「おい!軍関係者!今すぐに、同盟国に急ぎ、連絡し!明日にでも宣戦布告の準備をしろ!」
重役たちに、掲げる様に言い放つ。
そして、皆こう思っただろ。
「“ 最上級神 ”様、どうかご無事でいて下さい。」
と…
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次回
第一章 名を忘れた主人 第十九話 “ 思い出 ”の力




