表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/39

9話

「東の森にグリズリーベアが出たって? あそこはそんな危険な場所じゃ……」

 ギルド職員が信じられないといった表情を見せる。しかし、アンジーは顎でミックの担いでる証拠の首を指して見せる。

「証拠の首もある。それに、この小さな相棒が言うには、まだ新人の冒険者がそいつに襲われてたってよ。いずれ証人として出てくるだろうさ」

 周囲の冒険者たちもざわめく。やはり、グリズリーベアが東の森に出たという事に、彼らも驚いているようだった。

「注意喚起を出そう。東の森はギルドで調査してみる。しかし、あんたがまた冒険者を始めるなんてな……」

 ギルド職員はアンジーの事を良く知っていそうだった。ギルドの建物に入った時も、冒険者たちが彼女の名前を口にしていた。とても有名そうだったが、何故、自分の様な少年とパーティを組んでくれたのかミックは不思議に思った。

「つまんない話はいいから、ちょっと肩慣らしにゴブリン共の討伐依頼を受けさせてもらうよ。それと、グリズリーベアの分も一緒に報酬を用意してな」

 討伐依頼の依頼書を乱暴に掲示板から剥がすと、そう言ってギルドを出ていく。ミックも慌てて彼女に付いて行く。

「あの、どうして今更ゴブリン討伐を?」

 グリズリーベアを一人で倒せるアンジーの実力なら、ゴブリンなんて相手にならないはずだ。

「これはガキンチョ、あんたの訓練用の依頼だよ」

 アンジーはそう言った。そして、念を押すようにミックに顔を近づけた。

「いいか、あんたが魔法を使える事を知っているのはそういない。せいぜい追い出されたパーティの連中位のはずだ。そしてこれからも、その事は他の奴らにばらしちゃいけないよ」

 そして、彼女がどうしてミックに目を付けたのか分かった。

「いいかい、ガキンチョ。あんたは普段通り荷物持ち役として振舞いな。だけど、戦う時はその魔法であたしを援護するんだ。魔物が攻撃してきた時、一瞬でもいいからその魔法で相手に隙を作るんだ。そうすれば、あたしは攻撃に専念できるからね」

 アンジーはミックの転ばし魔法を利用するつもりなのだ。彼女が何時、ミックの転ばし魔法を使える事を知ったのか不明だが、その有効活用法を閃いたのだろう。だから一人になったミックに目を付けて、彼とパーティを組むことにしたのだ。

「ゴブリンと戦う時、相手の動きをよく見るんだよ。向こうが攻撃しようとした瞬間に、あんたの魔法で妨害するんだ。それだけで後はあたしが魔物を始末する。簡単なお仕事だろう?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ