62話
行きの時よりも時間はかかったが、数日かかってカイナドへと戻ってきた。捕縛したネクロマンサーを冒険者ギルドまで連れて行く間、町の人も見にやってきた。墓荒らしの一味が捕まったのだから、もうすぐ平和になると安堵の声が聞こえた。
「墓荒らしの連中を捕まえた。案の定ネクロマンサーの集団だった。魔法使いギルドにも報告してくれ」
ギルドの役員に引き渡す際、アンジーがそう説明した。
「この依頼を受けて戻ってきた連中はあんたらが初めてだ。よくやったよ、ネクロマンサーがいる事が証明されたなら、魔法使いギルドも動き出すだろうさ」
その話を聞いて、ミックは尋ねた。
「僕たちが初めて? リサという女性の方は来ませんでしたか?」
彼女は自分達より先に墓荒らしを追っていた。そろそろ何らかの成果を上げていてもおかしくなかった。
「いいや、あんたたちだけさ。他に受けた内の何人かは行方不明だ。まだこいつらの仲間を見つけられてないか、返り討ちにされたか……」
リサたちが返り討ちにされたとは考えたくなかった。あんなに魔法使いになろうと必死でいたのに……。
「あたしらでも結構ヤバかったんだ。そう気を落とすな。冒険者をやっていれば嫌でもそういう話は何度も聞く事になる」
アンジーが慰めの言葉を言う。しかし、まだそう決まったわけじゃない。きっと、まだネクロマンサーを見つけてないだけだ。
「ちょいとこの町で待ってれば、戻ってくるかもね。あたしらに先を越されて、きっと悔しがるよあの娘は」
悪戯っぽく笑っているけれど、彼女もリサが戻ってくると思っている。彼女自身、ミックよりも魔法使いの知識も才能もある。相手がネクロマンサーと言えど負けるはずはない。ミックはそう思った。
「それじゃあ、この依頼で結構な額の報酬も貰ったし、あのリサとか言う娘が戻ってくるのを待ってようかね。それより先にネクロマンサー共の本拠地が見つかる方が早いと思うけれど」
それまでに彼女が戻ってくれれば、ネクロマンサー退治の手助けをしたかった。自分の転ばし魔法がネクロマンサーたちに有効だと知ったら、彼女もきっと驚くだろう。
「ま、事が進展するまで、あたしたちはカイナドで寛いで待ってればいいさ;たまにはこういう町でのんびり過ごすのも悪くはないね」
アンジーの言葉にミックも頷いた。自分の住んでいる町を初めて離れて、初めて訪れた街だ。カペー地域とはどれほど環境が異なるのか、彼は興味津々だった。
「宿に戻ったらしばらく羽を休めおくよ。ガキンチョは神父に無事だって手紙でも送ってやんな」
カイナドの町の事を書いたら、神父も安心するし、後輩たちもこの遠い町の事を知って喜ぶだろう。宿に戻ったら早速手紙を送ろうとミックは思った。




