57話
「アンジーさん、本当に大丈夫なんですか? 相手はネクロマンサーなんでしょう」
「今更、人間相手にあたしらが負けると思うかい? ぱぱっと捕まえて解決するんだよ」
ミックとアンジーは冒険者ギルドで依頼を探したが、そのほとんどは墓荒らしの捕縛ばかりだった。なので、リサには言われていたが、結局墓荒らしを捕まえる事にした。
「おい、遊びじゃねえんだぞ。何でこんなガキのいるパーティなんかに……」
「リーダーはあたしだよ! 文句があれば独りでやりな! 死体の群れに独りで立ち向かう度胸があればの話だけどね」
「何だと!」
相手がネクロマンサーの事も考慮して、他の冒険者と一時的にパーティを組んで依頼を受けたが、ミックの事を見て明らかに2人の実力を疑っていた。
「仲間割れは良くありませんよ! 僕は荷物持ちなので、気にしないで下さい!」
ミックは自分はアンジーの荷物持ちという事にして、ギルドで2人の仲間を増やした。それでも、一時的に組んだだけのパーティではあまり連携は取れそうになかった。せめて、リサのような魔法使いも1人欲しいと思ったが、残念ながら既に町から発った後で見つからなかった。
「とにかく、戦いになったらガキは邪魔になる! 俺たちの足を引っ張るんじゃねえぞ!」
雇った戦士の言葉にミックは素直にうなずいた。
「まだ墓荒らしが来てない村がいくつかあるから、そこを調べて回るよ。もしかしたらあのリサとか言う娘にも会うかもね」
彼女たちも墓荒らしを探している。そうなればきっとどこかで会う事になるはずだ。
「墓荒らしがネクロマンサーだか何だか知らねえが、ひょろっちい魔法使いなんかに負けるかってんだ!」
鼻息荒くして仲間の戦士が叫ぶ。かなりの自信家みたいだが、本当に頼りになるかは分からなかった。ミックはアンジーに近づいてこそりと不安を口にした。
「相手は人間ですよ。あまりその、傷つけあうのは駄目かと思うんです……」
「まあ、あんたはまだガキンチョだからね。こういう事にもおいおい慣れていかなきゃだよ。山賊退治とかそういう依頼だってあるんだから」
「分かっています。でも……」
「そこであんたの魔法が役に立つんじゃないのかい? 相手が人間なら転ばせるのは容易だろう。 冒険者だって命張ってるんだから、あんたもそれ相応の覚悟を持つこったね」
自分の魔法が、転ばし魔法が対人間で本当に役に立つのか、ミック自身もまだ知らない。彼女が言う様に、この依頼の中で役に立つように魔法の使いどころを考える必要があった。




