54話
既に集められた死体の数も相当な数になっている。きっとこのカイナドの何処かに拠点があるはずだ。
「どうやら、相手は組織的な集まりと考えてもいいでしょう」
個人ではなく組織だとすると、邪教の集団という可能性もある。その場合、目的もただの禁忌の研究ではなくもっと危険な物のはずだ。
「死体だけでなく、冒険者という生きている人間も使って、生贄やおぞましい魔法の実験に使っているのかも……」
予想以上に相手は厄介な存在かも知れない。本当に自分達だけで解決できるのかリサは不安になった。
「まずは1人でも捕まえて、情報を問いただすのが先決でしょう。我々だけで手が出せない場合は、冒険者ギルドや魔法使いギルドに報告して、力を貸してもらう必要がるかもしれませんね」
「急いで準備します! 1日でも早くこの事件の解決をしないと、何をするつもりなのか分かりませんからね!」
2人はすぐに立つ事にした。師匠が護衛と馬車の手配を急ぎ、その日の内に次の狙われそうな墓場のある村へと向かった。結局、ミックと女戦士には再び顔を合わせる事もなかった。何故かあの2人が気になるけれど、自分たちにはやる事がある。縁があればまた会えるだろう。もっとも、その時には正式に魔法使いとなって2人を驚かしてやろうと彼女は思った。
「さあ、行きますよ」
師匠は馬車を連れてきたが、護衛の姿は見えなかった。
「護衛の方々は既に現地に向かっています。冒険者の中には我々と同じで、既に見当を付けている者もいるみたいです。彼らに力を貸す形で、墓荒らしを捕まえるのです」
「魔法使いギルドはそれで認めてくれますかね……?」
手柄が分散されてしまうのはやむを得ないが、それで大丈夫なのか不安になった。リサにとっては自分が魔法使いギルドに入会できるかが重要だからだ。馬車を出発させて、その中でリサが不安をこぼす。
「この事件を解決に貢献していればきっとなれます。だから心配はしないで」
無口な御者の引く馬車の中で揺られてる間、2人は戦う準備を整えた。相手は複数人、ネクロマンシーを使う魔法使いも含まれる。激しい戦いになるだろう。しかも、出来るだけ相手を生かしておかなければならない。そうでなければ、ネクロマンサーの本拠地を聞き出せないからだ。
「無力化させる魔法も師匠から教わっていますから、大丈夫です! 絶対に墓荒らしの奴を捕まえてやります!」
その日は馬車で夜を過ごし、目的地に着いたのは次の日だった。陰気な村だったが、まだ墓荒らしは行われてないようだった。
「宿に護衛の方がいるはずです。彼らに合流して、今夜の内から村の墓場に張り込みましょう」




