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28話

「はあぁっ!」

 アンジーとキングスが同時にドラゴンへ攻撃を加える。既に長くパーティを組んでいる2人は呼吸を合わせ、一寸の狂いもなく同時にドラゴンへ当たる同時攻撃を繰り出す。

「ちっ、何て硬さだ……!」

 ドラゴンは頭部と肩で2人の一撃を受け止めた。オーガの腕を両断する刃が、殆ど食い込む事もないほど頑強な外殻。ミスリルの様な鋼の硬度を越える希少金属でもなければ、まず外殻を貫くことは不可能だろう。そうでなければ、鱗のない腹部くらいしか攻撃を与えられそうな部位はなかった。

「ぐあっ!」

 ドラゴンは全身を動かして2人を振り離す。腹部を狙うにしても、頭部も固い上に2つの前腕もグリズリーベアより鋭い爪が備えられている。相手はまだ攻撃すらしていないのに、ダメージを与える手段すら困難である事を実感させられる。

「2人とも気を付けて、氷塊落とし!」

ジェーンが長い詠唱で周囲の水分を集め、巨大な氷塊を空中に作り出す。強力なトロールやオーガですら叩き潰す彼女の必殺魔法。剣が通じなくても氷塊の質量でドラゴンを叩き潰そうとする。

 ドラゴンの身体が氷塊の下敷きになった。流石にこれ程の魔法を受けて、ドラゴンと言えど無事では済まないと思っていたがその考えは甘かった。

「がああっ!」

 氷塊を容易く砕きながらドラゴンが飛び出してきた。巨体に似合わぬ恐るべきスピードで、アンジーとキングスの間を駆け抜けていく。魔法使いのジェーンを狙っている。

「ワイマン!」

「任せろ!」

 ワイマンが身の丈ほどある大楯を構えてジェーンの前に出る。オーガの一撃にも耐える重装備だが、ドラゴン相手に通用するか、実際に切り込んだ2人は不安がよぎった。そして、その不安は的中した。

ドラゴンはワイマンの目の前で急に振り返った。前線の2人に標的を変えたのかとワイマンは思った。

「ワイマン、左だ!」

 キングスの声が届く前に、長い尻尾がワイマンとジェーンをムチの様に空を切る音を出しながら、脇から強烈に打ち据えた。ドラゴンの攻撃範囲を見誤っていた。下手をすればこの一撃で4人全員が一瞬でやられていたかもしれなかった。

倒れたワイマンはまだ意識があるようで身もだえしながらうめき声をあげてるが、ジェーンはピクリとも動かない。

「この野郎ぉ!」

 アンジーが怒り声を上げながら再びドラゴンへ立ち向かう。対してドラゴンは大きく口を開いてアンジーに襲い掛かった。小盾では防ぎきれない攻撃に、彼女は剣を使ってドラゴンの噛み付きを受け止めた。

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