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26話

「行方不明だった冒険者が見つかりました」

 ドラゴンの探索メンバーが、ごろつき男の仲間を見つけ出した。1人は無事に見つかったが、もう1人は運がなかった。逃げた先でオークにでも襲われたのか、全身に傷を受けむごたらしい死体となっていた。

「町の神父を連れて来るんだ。せめて遺体だけはキレイにして埋葬してやれ」

 冒険者の死体、グリズリーベアに遭遇した時、もしかしたらミックも死んでいたかもしれない。死体が見つかるならまだいい。魔物の餌になり、行方不明となり永遠に見つからない事も普通にある。そういう世界で戦っている事に改めて気づかされる。

神父はすぐに来た。ミックの育ての親でもあるが、彼の方を一瞥しただけで神父はすぐに自分の仕事に取り掛かった。回復魔法を唱えて傷だらけの死体を身綺麗にする。決して死者が蘇るわけではないが、こうやって死者の身体から傷を取り除くのも神父の仕事だ。そして、最後に祈りの言葉を唱えて埋葬される準備が整えられた。

「ミック」

 死体が墓場に運ばれていく途中、神父が彼に話しかけて来た。

「冒険者ギルドでの依頼は暫く中止です。ドラゴンが出た以上、他の魔物もこれまでとは違いかなり凶暴化します。後はギルドに任せて、貴方は孤児院に戻って子供たちを見ていなさい」

「そんな……」

 せっかく冒険者として自信がついてきたのに、止めなきゃいけないなんて……ようやく貰っていた報酬で孤児院も少しは持ち直した所だったのに、何時また冒険者として働けるか分からないなんて嫌だった。

「でも、今はかなり冒険者のパーティとしてやっていけてるんです! 少しくらい魔物が強くなった所で大丈夫です! ですよねアンジーさん!」

「いや、ガキンチョ。神父の言う通りにしな」

「え!?」

 まさかアンジーからも冒険者稼業の中止を勧められるとは思わず、ミックは驚きの声を出した。

「ドラゴンが出ている間はこれまで通りにはいかない。だからあんたはしばらく休んでな」

「どうしたんですかアンジーさん! 僕たちパーティとしてやっていけてたのに、急にまたそんな事言うなんて……!」

「ミック、彼女はドラゴンがどれほど恐ろしいか、知っているんですよ。10年前、彼女は一度ドラゴン討伐に挑戦していたんですからね」

 神父から驚きの事実を告げられた。アンジーは既にドラゴンと戦った事があるなんて、彼女の口から一度も聞いた事がないからだ。

「まだおぼえていたのか。神父様」

「当然です。貴方はそれで、かつての仲間とその右手を喪ったのでしょう」

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