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14話

「このガキンチョと組んで依頼をこなせば、あたしの名声や評判は上がる一方……本当便利な逸材だよ」

「あの、どうかしましたか?」

「ん、いや何でもないよ。それより、そうやって単体しか使えないなら、相手が複数いたときはどう使うかを考えないといけないだろう?」

「そうなんです……」

 ミックの転ばし魔法は単体にしか効果がない。魔物が群れでいた時、一匹は無力化できても他の魔物には魔法を使う余裕はない。

「だからこそ、魔法は使うタイミングが重要なんだよ。例えば、狭い場所で複数の魔物がいた時、どいつから狙う?」

「どいつって、とりあえず攻撃してきた魔物から先に狙いますが……」

「だから冒険者として甘いんだよ。狭い場所で向こうが一斉に襲ってきたら、先頭の奴に転ばし魔法を使えば、後ろの連中はつっかえて動きが止まるだろう?」

「ああ、なるほど! そうですね!」

 これまではとにかく目の前の攻撃を止める事で精一杯だったが、そう言う使い方をすれば、まとめて魔物を無力化できる。どうして今まで気づかなかったのか。恐らく、ミックも荷物持ちが役目で、自分の魔法が使えない物だとばかり思っていたのだろう。だから、そこから使い方について深く考える事をしていなかった。

「持っている物、場所、状況……全部ひっくるめて冒険者は常に最善の行動をとらなきゃなんだよ。そうじゃなきゃ、自分よりも力もあってデカい魔物なんかと戦えないよ」

 アンジーは戦士として確かに力はあるし、軽装で動きも早い。だが、それでも実際には倒したグリズリーベアよりも力では劣るだろう。俊敏さでもよくて互角。それでも倒せたのは、相手がミックだけしかいないと思っていた事や、彼女には武器があるし最初の一撃で、心臓という急所を狙って不意打ちが成功したからだ。それで自分より強い魔物でも倒す事が出来たのだ。後は様々な特技を持つ仲間がいれば、もっと強い魔物でも倒せるだろう。

「分かったかい? 常に有利になる様にあらゆる物を利用して戦う。それが冒険者としてやっていくのに大切な事だよ!」

「凄い……ありがとございます!」

 ミックは素直に感心していた。前のパーティではミックを荷物持ちの子供としてしか見ていなかったから、そうやって冒険者としての大切な心構えなどを教授してはくれなかった。ギルドの他の冒険者も、薄情な連中ばかりで軽んじてバカにこそすれど、手助けしてくれるような人はいなかった。

「勘違いするな! あんたはあたしの相棒なんだから、あんたが役に立ってもらわないと困るのはあたしなんだ。しっかり役に立つようになりなよ!

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