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第905話 恐竜の魔物が棲む島 母と双子達のLv上げ&島の妖精さん達&Lv250の恩恵

※椎名 賢也 124 『ダンクの想い 3』をUPしました。

 誤字脱字を修正していますが、内容に変更はありません。

 昼食後、再びグラウンドに移動してLv上げを続ける。

 私は3人の倒す速度に合わせ、魔物を次々と出していった。

 その間に自分のLv上げもしなくちゃいけないから、結構忙しい。

 母も双子達も慣れた作業のように魔物を倒していくので、タイミングを計るのが大変なのだ。

 黒竜を召喚してカルドサリ王国に戻ったら、もうこの島には行けないだろう。

 メンバー達のLv上げ用に魔物を沢山収納しておく必要がある。

 何度も島に行くのは危険だと思うけど、ベヒモスクラスの魔物は欲しい。

 なるべく数を多く(そろ)えたいため、今夜も島に行こうかな。


 母がLv250に上がったところで、夕方になったので実家へ戻る。

 夕食は遥斗(はると)のリクエスト通り、すき焼きだ。

 ミノタウロスの肉を少し凍らせてから、人数分の薄切り肉を切って皿に薔薇の花のように盛り付ける。

 母は鍋に入れる野菜を収穫してくると言い、畑へ双子達を連れていった。

 ねぎと春菊と牛蒡(ごぼう)に成長魔法を掛けるのかな?

 蒲鉾(かまぼこ)と厚揚げを切り終わる頃、母と双子達が戻ってきた。

 

「沙良お姉ちゃん! 母さんが種を植えて魔法を掛けたら、数分で野菜が成長したんだよ! (すご)い魔法だね!」


 少々興奮状態の遥斗が、頬を上気させながら収穫したばかりの野菜を両手一杯に持っている。

 母の成長魔法を初めて見たので驚いたのだろう。

 確かに、種から発芽し急成長する様子は興味深い。


「野菜を買わなくて済むから便利よね~」

 

 遥斗の言葉を受けて、おっとりと答えを返す母は成長魔法をどれくらい上げたのか……。

 まぁ、私も野菜を貰っているから助かるんだけどね。

 

「それにしても、ピーマンばかり栽培しすぎじゃないか?」


 母の畑を見て、雅人が疑問に思った事を口にする。

 あぁ、その話題には触れないでほしかった……。


「一時期、ピーマン料理に凝っていたのよ。体にいい野菜だし、2人共ピーマンは好きでしょう?」


 うふふっと笑う母の表情を見て何かを察した雅人は、それ以上言及せず、

  

「まっ、経済的に助かる魔法だよな」


 と穏便に返事をした。

 収穫してきた野菜を双子達から受け取り、食べやすい大きさに切ってタッパーに詰める。

 そういえば、双子達のマジックバッグがないな。

 (いつき)おじさんにお願いして、腕輪をマジックバッグにしてもらおう。


「夕食を届けてくるね」


 シルバーの背に乗り、結界魔法を発動させて島へ移転する。

 すると、地面に何故(なぜ)猿轡(さるぐつわ)をされ簀巻(すま)きにされた状態の人達が何人も並べてあった。

 何事かと一瞬身構え、この状況によく似た光景を思い出す。

 もしかして、妖精さんの仕業(しわざ)かしら?

 地面に倒れている人の格好を調べると、黄金色の鎧を着ている。

 今回は、ミスリルではなくオリハルコン製なのか……。

 着ている鎧から考えると、前回より強い騎士だと思う。

 敵は、順番に強い者を送り出しているようだ。なんだか、力試しをされているようで気分が悪い。

 簀巻きにされた者達は、気絶させられているのか身じろぎ一つしなかった。

 このまま放置するわけにもいかず、アイテムBOXに収納すると人数は19人だった。また、中途半端な数だな……。

 

 さて、妖精さんは何処(どこ)にいるんだろう?

 ガーグ老の庭の木に居る妖精さんは、神出鬼没(しんしゅつきぼつ)で色々な場所に現れた。

 王宮やダンジョンでも見掛けたけど、どういう原理で移動しているかは謎だ。

 まさか周りを海で囲まれている島にも居るとは思わず、ビックリしたけど……。

 視線を移転した地点から森に移すと、前方に切り倒された木がある。

 そして、そこには建てられたばかりの家があった。いかにも、罠のような家を見て首を(かし)げる。 


 いやいや、敵も馬鹿じゃない。家なんかあれば、自分達がそこに居ると言っているようなものだ。

 だとすれば、これは妖精さん達の()()だろうか?

 午前中にはなかった(はず)だから、かなり短時間で建てた事になる。

 木の断面を見る限り、すっぱりと切れているので魔法を使用したみたいだ。

 妖精さん達は風魔法を使うのか……。

 以前、結婚式の最中に突然現れた時は両手剣を使用していたけど……。

 それにしても、無駄に凝った装飾が(ほどこ)されている玄関だなぁ~。

 森の中にしては随分(ずいぶん)と目立つ。

 

 シルバーに警戒する様子がない事から、家へ向かった。

 階段を上り、玄関に掛けられた表札を読むと『妖精の家』と書かれている。

 ふむ、予想通り妖精さんの棲み処で合っているらしい。

 扉をコンコンとノックすると、空中からひらりと一枚の羊皮紙が落ちてきた。

 相変わらず、妖精さんは姿を見せるのが恥ずかしいのか……。

 羊皮紙には、


『サラ様 

 主より命を受け、遅くなりましたが()せ参じました。

 これより一同、護衛の任に就きますので、ご安心下さい。

 つきましては、お供え物を20人分用意して下さると大変助かります。』


 内容が達筆な異世界文字で書かれていた。20人とは、また多いな……。

 ガーグ老が心配し、庭の妖精さん達にお願いしてくれたようだ。

 どうやって私の居る場所が分かったのか不思議だけど、妖精さんには人知を超える能力があるのだろう。

 ひとまず、今日のお礼としてアイテムBOX内にある作り置きの唐揚げとサンドイッチを出して、玄関の前に置いた。

 敵の襲撃を警戒しなくて済むのは助かるけど、毎日20人分のお供えを準備するのは大変そうね。

 

 それからルシファーを呼び出し、夕食とシーリーの魔力水を渡して実家に帰る。

 すき焼きを前にして、テンションの高い双子達に肉を取り分けてあげると、


「お肉が柔らかい~、これ高かったんじゃない?」


 口にした遥斗が、そんな感想を()らす。


「ダンジョンで狩ったミノタウロスの肉だからタダだよ! 沢山食べてね!」


「そうなの? ステーキにするより美味しい!」


 王子だった2人は、王宮で出されたミノタウロスの肉を食べた事があるようだ。

 その時は塩と胡椒(こしょう)だけで味付けされたものだから、物足りなかったんだろうな。

 追加のお肉を入れて双子達がお腹一杯になったあと、私と母はゆっくり食べた。

 締めにうどんを入れて最後まで味わう。

 口直しのデザートには、果汁たっぷりのダンジョン産の梨を出した。

 

「お母さん、Lv250になった恩恵を聞かせて」


 甘みの強いシャリシャリとした梨を食べながら、母に(たず)ねる。


「緑の守りの中に10人入れられるようになったわ」


 そうか、じゃあ全部で16人になったからメンバー全員が250分間姿を消せる。

 母のLv上げは、これ以上しなくてもいいかな。

 ダンジョンの攻略を中止している今、強くなる必要はないし。


「魔物が沢山要るから、お母さんのLv上げは一旦(いったん)止めてもいい?」


「せっかく気分が乗ってきたのに残念だわ」


 今まで皆がダンジョンを攻略中、家で留守番していた母は暇を持て余していたのか寂しそうに言う。

 でも、全員を250Lv以上に上げるには魔物の数が不足しそうなのだ。

 恐竜より強い魔物が居れば別だけど、島に飛ばされたのは偶然? なので、そう簡単に見付からないだろう。


「ごめんね、お兄ちゃん達の分を確保しないと文句を言われそうでしょ?」


 双子達のLvが自分より上だというのは、兄にとって矜持(きょうじ)が許さないと思うんだよね。

 あれで中々負けず嫌いなのだ。

 武術を(たしな)(あかね)に負けるのは仕方ないと割り切れても、年の離れた双子達には勝ちたいだろう。

 そして兄より、父のほうがもっと問題かもしれない。

 子供達に負けるなんて、父親の面子が丸潰れだ。

 きっと誰よりも早くLvを上げたいと思っているに違いない。

 基礎値が一番高いのに、HPやMPが上がる飴を欲しがっていたし……。

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読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。

応援して下さる皆様がいて、大変励みになっています。

これからもよろしくお願いします。

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