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英雄、やります(仮)  作者: 星長晶人
アンドゥー教編

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始祖決戦

二週間の予定でしたが書き上がったので更新します


次は二週間後になる予定です

「……サンダーボルト・ボール!」


 アンドゥー教司祭、コケッティが何度かの打ち合いと鍔迫り合いと経て一旦距離を取り、直径三メートル程もある巨大な雷の球を無数に放ってくる。


「……チッ。大地斬!」


 俺は舌打ちしつつ、ガイアの鎌を構えてグッと力を込め、横薙ぎに振るうことで地の力を持つ斬撃を放ち、雷の球を薙ぎ払う。


「……嵐術式! 大地術式! 闘鬼術式!」


 俺は雷、水、風の三つを操ることが出来る嵐の術式と、地の上位である大地の術式と、気の上位である鬼気と闘気の融合で身体能力をかなり上げることが出来る闘鬼の術式を発動させ、一気に距離を詰める。


「……チッ! クソウゼえ能力だな! ライガー・サンダー!」


 コケッティは苛立たしげに舌打ちして、雷で出来た虎と獅子の混種、ライガーを放ってくる。大きさが五メートル程とかなり巨大で、俺は迎撃のために一旦停止せざるを得なくなる。


「……お前の雷だってウザいだろうが!」


 俺は乱暴に言い返しながら、土の壁を出現させる大地壁を使って雷のライガーを防ぐ。


「……嵐虎獅子!」


 俺は咄嗟に思いついたサンダー・ライガーのパクリ技、嵐の要素全てで構成された十メートルもある巨大なライガーを放つ。


「……クソがっ! やっぱてめえ以上に厄介なヤツなんざいねえか!」


 コケッティは苛立たしげに吐き捨てながら特大の雷の放って巨大な嵐のライガーを相殺する。


「……はっ。俺が一番厄介だなんて、嬉しいこと言ってくれるじゃねえか。けど残念だがお前も知っての通り俺は最近来たばっかで弱いし、それにこの街にいた他の英雄達の方が強い。モンスターだってそうだ」


「……おいおい。てめえがまだ弱いってのは兎も角、戦女神・ヴァルキリーの異端にメテオグラビトンレックスの突然変異に最強の機竜・ワイバーンに一体しかいねえ白帝竜・カイザードラゴンに炎帝・フレイオスの突然変異に俺が研究してた最高傑作の一人に同じ英雄の一人。そんな強すぎるまでに強いヤツらを従えておいて、てめえの一派が弱いとか抜かすのかよ?」


 俺が言うと、逆にコケッティに嘲笑されてしまった。……確かに、いいヤツらが集まりすぎる。


「……俺は貴族の英雄だ。てめえはそれが気に食わねえらしいが、それを差し引いても俺は貴族の間じゃあ英雄として名高い。ここには来てねえマッチョはあれで子供達の中じゃ英雄として慕われてる。自称勇者は他人のために動くから民の英雄だ。ヘラ連れたあいつもあれで結構人気が高い。謂わばドMに慕われる英雄だ。じゃあてめえは何だ? てめえは何の英雄としてこの世界に召喚された?」


 コケッティは誰に尋ねるでもなく、思案し始める。……ドMの英雄はねえだろ。あとリフィアはどうした。


「……てめえの妹は神の英雄だな。それも愛とか炎系の。あそこまで炎系統の神に好かれるヤツはいねえよ」


 コケッティが俺の思考を読み取ったかのようなタイミングで言ってくる。……つまり、こっちの世界に召喚された英雄全員が何かしらの意味を持っているってことか? 自然と過ごすだけで何かの英雄として有名になる。そういう人選なのか?


「……魔物の英雄? そうじゃねえ。てめえの妹は化け物に近いが俺やヘラの主野郎に近い存在だ。もっと神に近い人間って感じだ。じゃあてめえは何の英雄で、何に慕われてる?」


「……さあな」


 俺は自分でも考えながら、コケッティの質問を受け流した。……そんなことを急に言われても、自分で分かる訳がない。そもそも俺はまだ英雄としてスタートさえ切ってないような異世界初心者だ。まだ文字も碌に読めない。


「……まあどうでもいいか。てめえがここで死ねば、関係ねえことだしなぁ!」


 コケッティは言って激しい雷撃を纏ったまま俺に突っ込んでくる。


 俺も武器を構えて迎え討ち、激しく武器を交わして雷撃や嵐などで攻撃し合い、戦闘が激化していく。


「……おらぁ!」


 コケッティが雷を放てば、


「……はあぁ!」


 俺が土を使って防ぐ。


 神器である槍と鎌を交え、多大な衝撃を撒き散らしながら戦い続ける。


「……ぐっ、はああぁぁ!!」


 俺は呻きながらも鎌を持つ手に力を込めてコケッティを押し返し、魔力回復薬を一気に飲み干して魔力を回復させ、術式を持続させながら飛翔してコケッティに突っ込む。


「……チッ! てめえそれは卑怯だろ!」


「……うるせえ! 俺はまだ日が浅いからレベルが低いんだよ!」


 舌打ちしてくるコケッティに怒鳴りつつ、ゴポゴポと地面を沸き立たせ、ガイアの鎌の力を使って溶岩をコケッティに向かって柱のように放った。


「……クソッ! 厄介なもん創りやがって!」


 コケッティは吐き捨てながらも溶岩の柱を回避し、突っ込む俺に雷を放ってきた。


「……くらえ、土砂津波!」


 俺は言ってガイアの鎌を大きく振るいその名前の通りの現象を引き起こす。土砂で出来た、大きな津波。


「……クソッ!」


 雷では相殺出来ない土砂の大津波にコケッティは飲み込まれるが、属性の強弱を吹き飛ばす程の雷電が巻き起こり土砂の津波が消し飛ばされる。


「……ああもうウゼえ! 神威顕現!」


 コケッティは何やら喚くと、空から光を降らせて青白い雷電を纏い、三メートルもある巨大な槍の他に短槍を七本展開する。


「……お前こそな!」


 俺はさらにコケッティの膂力と魔力が跳ね上がったのを感じて内心舌打ちしながら、ガイアの鎌を携えて突っ込む。コケッティもそれに応えて三度、衝突する。

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