ステータス概念
遅れました。今回はステータスについてですので、説明が多いです。
「アーティア。ステータスって色んなのがあるが、何を表してるかがよくわからないんだが」
一夜を共に過ごして妙に可愛く見えるアーティアが膝の上に乗り、俺は丁度いいのでステータスについて確認していた。
「ご主人様は異世界から来たので知らないのですね。この世界では常識ですから、覚えてください」
アーティアは俺に身を預けて言う。
「ああ、大体はわかるんだが、どれが何に影響するのかがよくわからない」
全部三文字のアルファベットだから、読めないのは読めないし。
「……これがご主人様のステータスですか。かなり偏りがありますね」
アーティアは俺が開いたステータスを見て唸る。
「レベルはレッサーデーモンを倒しただけあって、28。かなり早いですね。ご主人様、今までどんなモンスターを倒してきましたか?」
「ん? グロウウィングフォレスト、ゴブリン、オーガ、人工魔物、レッサーデーモンだな」
確かそれくらいだった気が。
「う~ん。術式使いは戦士や魔法使いよりも経験値が多く必要なようです。事実上、最も育ちにくい職業でしょうか。それだけ倒して30にもいっていないとなると、そうなってしまいます」
マジか。まあ、これだけの日数でよく上がったもんだ。これからはもっと上がるけどな。アンドゥー教とやったら。
「レベルの説明は大丈夫ですね? ステータスの説明に移ります」
ふむ。ステータスが問題なんだよな。
「HPはその人の体力、命を数値にして表したモノです。これがなくなると死に至ります。視界の端にありませんか? ご主人様のHPはレベル三十後半の戦士並みですね」
おぉ、これがHPなのか。ちょっと邪魔だと思っててごめんなさい。人工魔物に乗っ取られた時はレッドゾーン突入してたけどな。回復してなかったら死んでた。
「MPは俗に言う魔力です。慣れると人の魔力を感じ取れますよ。この国には感じ取れる人は少ないですね。ご主人様の家には膨大な魔力を持った人しかいませんから、いたら尋ねてきたかもしれません。魔力は使えば使う程上がりますので、ご主人様は私よりも多いです。世間では賢者レベルですよ」
俺のMPは六桁だった。神器使ってるからか。術式ってMPの消費が多いのかもな。
「STRは腕力や筋力を示します。ご主人様はレベル二十前半の戦士レベルですよ。術式使いがどういう職業なのかよくわかりません。戦士よりなのか魔法使いよりなのか」
魔法戦士よりなんじゃね?
「DEFは防御力を示します。装備で上げやすいのがこれですね。噂では、身体を鍛えると防御力も上がるそうです。ご主人様は同じレベルの戦士並みですね」
術式使いって、戦士系のステータスなのか?
「AGIは素早さ、回避率を示します。走った時の初速、加速度も関係すると言われています。回避率は、状態異常にかからない確率、ですね。あとは攻撃をいかに素早くかわせるか。AGIが高いと便利ですね。範囲攻撃には弱いので注意です。私はこれが高いので、大概の攻撃はかわせます。範囲攻撃は範囲外に移動出来ればかわせますので。攻撃速度にも影響があるそうです。ご主人様は、このレベルだと全職業中トップの値です」
忍者とか、シーフとかそういう系の職業が高いんだろう。術式使いって一体どんな職業だよ。
「DEXは器用さを示します。ちなみにこの器用さは細かいことが出来るという器用さではありませんよ。モンスターの急所や鱗の隙間を狙えるという器用さです。命中率と言ってもいいです。ご主人様は少し低いですね。他の職業と比べると」
……ホント、よくわかんねえ職業。
「INTは知力を示します。知力と言っても、魔法威力に関係するものですね。ご主人様は術式の威力ですが。レベル四十代の魔法使い並みと、かなり高いです。術式と魔法を同じようなものだとすれば、少しは納得出来ます」
術式の威力はこれに関係してくるのか。
「MDFは魔法防御力を示します。これが一定の数値になると魔力障壁を展開出来ます。魔力障壁には段階がありますが、今は置いておきましょう。ご主人様は同レベルの魔法使い並みですね」
やや攻撃的なステータスってことか。
「VITは持久力を示します。どれくらい走ると疲れるかというスタミナと、装備出来る装備の重量にも影響があります。ご主人様は高い、ですね。昨夜、あれほどまでに長い時間求め合えたのはそのためですか」
……いや、確かに三桁だし魔力以外なら高いけど、それとは関係ないんじゃ?
「LFTは生命力を示します。傷の治りやすさ、刃物が突き刺さった時のダメージの増減、HPがなくなった後にこの世に残れる時間などに影響します。ご主人様は、魔力と同等ぐらいなので、ちょっとやそっとの傷では死にません。術式を使わなくても、これくらいあれば普通の人間としては十分です」
いや、普通の人間だけど、人工魔物に殺られてるだけだから。術式なかったら死んでるし。
「LUKは運の良さを示します。命中率、回避率、確率系の攻撃の成功率、クリティカルヒットの発生率が関係します。ご主人様は一桁なので、特に気にする必要はありません。運に頼らず、実力で頑張ってくださいね」
……何だよ、3って。運が低いのはちょっと心当たりがあるな。人工魔物に二回も出会ったし、悪魔と会ったし、こっちに来たのがグロウウィングフォレストだったし。
「スキルはどうです? 何か増えてますか?」
アーティアに言われて、スキルを確認してみる。
スキル
『術式』
『炎術式』
『雷術式』
『風術式』
『水術式』
『氷術式』
『地術式』
『光術式』
『闇術式』
『木術式』
『第一術式』
『第二術式』
『第三術式』
『第四術式』
『第五術式』
『第六術式』
『第七術式』
『???術式』
『淫術式』
『エロスの加護』
etc
……淫術式って、アビリティ見ると、ディメスとアーティア相手にやったプレイじゃねえの?
~~術式は数多くて割愛。一個だけ??? ってあるんだが、何の意味があるんだ? 持ってても使えない術式ってことか?
エロスって誰? 何者?
「色々ありますね。ご主人様。エロス様の加護を持っているなんて、いつ受けたのですか?」
アーティアはエロスを知ってるのか?
「エロスって、何者?」
「知らないのですか? グランさんの話だと、ヘラ様は知っているようだったそうですが。ヘラ様やゼウス様と同じギリシャに住む神様で、恋心と性愛を司る神です」
マジで!? 俺、エロスは知らなかった。ギリシャなら知ってると思ってたのに。
「ギリシャってどこにあるんだ?」
「ギリシャは神界、つまりは神達が住まう世界の一つです」
俺のいた世界での神話のある地域がそれってことか。
「じゃあ、今日は色々試したいこともあるし、アーティアに相手になってもらおうかな」
「いいですよ。その代わり、淫術式について詳しく詳細に調べましょう」
「いや、戦闘だけでいいです」
どこか別のことに意気込むアーティアを、やんわり断った。




