表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄、やります(仮)  作者: 星長晶人
アンドゥー教編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/85

術式と覚悟

「ではアーティアに聞きますが、主の普段の術式をどう思いましたか?」


「……術式という名前からして、魔法、魔術に近いモノではないかと思いました」


「そうね。でもそれなら、一々溜めなんかいらないわよ? バンバン放っちゃえばいいもの」


「そうですね。じゃあ、魔法の元、みたいな感じですか?」


 メティがフィネアの言葉に頷きながら言う。


「……メティ、詳しく聞かせてください」


「なんとなく、ですけど。シューヤ様の術式は加工していない魔法、だと思うんです」


「魔法は命令を与えて様々な形や効果をもたらしますから」


 メティと同じ考えだったらしいアーティアが補足する。


「私にもわかるようにお願い」


 魔法を得意としないフィネアが言う。


「魔法は精霊に命令する、魔法の粒子によって描かれた魔法陣が及ぼすなどと言われていますが、詳しいことは研究中ですね。ですが、魔法に精霊でも魔法の粒子でも、何かに命令することで様々な効果を与えられます。ご主人様の術式は、ただ雷を放っているだけ、に見えます」


「つまり、ご主人様の術式は魔法の元と似たようなものだってこと?」


「はい。そうなると、何らかの命令を与えることによって、術式はどんな魔法でも使えるようになる、ようなものです」


「例えば、術式を光線みたいに放とうと思えば、出来るってこと?」


「……はい。ご主人様の想像力次第では魔法よりも強力です」


 アーティア、ディメス、フィネア、メティ、ナティアの五人でシューヤの術式について会議中だ。グランは化け物のことをギルマスに伝えに行った。


「でも、そういう予想ってだけでしょ? 大体、魔法の根源ならご主人様固有の力にする必要はないわよ? それにーー」


 フィネアは未だに眠っているシューヤを見る。


「人工魔物と戦ってる時の説明はどうするのよ?」


「……魔法の応用、と考えるしか。今は全くわかません」


 アーティアは申し訳なさそうに言う。


「仕方ないわ。でも、自在に使えるように補助していきましょ」


「はい」


 アーティアが頷いて、他も頷く。


 ▼△▼△▼△▼△


「……目が覚めると見知らぬ天井があった」


「自分でナレーションを入れるのはどうかと」


 俺の横の椅子に腰かけているディメスにツッコまれた。


「……ディメス、俺はどれくらい寝てた?」


 ……思い出したくないような出来事の後。


「ざっと四時間です。意外と目覚めるのが早かったですね」


「……確かに。う~ん!」


 俺は起き上がって大きく伸びをする。


「って、左腕がある?」


 何でだ? 確かにゴブリンみたいなヤツに食われたーー。


「……吐き気してきた」


 迂闊に思い出すようなことじゃないな。ちょっとずつ頑張ってこ。


「大丈夫ですか? ……それと、左腕は主が自分で治したんですよ?」


「…………は?」


 俺は固まった。


「ですから、術式を使って治したんですよ」


「……いやいやいやいや! 俺はまだ術式のこと理解してねえし。第一、俺が覚えてねえよ!」


 左腕食われて、それから気を失ったし。


「……やはり、ですか。では、あの魔物を自分で倒したことも覚えていないんですね?」


「……マジ?」


 魔物って、ゴブリンっぽいヤツだろ? マジでやってもボコボコにされそうな気がするんだが?


「……では、あの魔物のこと、それから主の術式のことについて私達が会議した結果を伝えます」


 ディメスの口からかくかくしかじかと語られる。


「……あくまで予想だからな。試しにいくぞ」


「えっ? ……ですが、主はバトル初心者で、死の恐怖を味わったばかりですよ? 大丈夫ですか?」


 ディメスが心配そうな顔をする。


「……そんなヤツほっといて怯えてられるような神経はしてねえんだよ」


 俺は微かに笑って言う。


「……そうですか。出来るだけサポートします」


 ディメスは諦めたようにそう言った。


「じゃ、ギルド行こうぜ」


 俺はグランを除く全員に言った。


 ▼△▼△▼△▼△


「……」


 ゴブリンの単体を発見し、そいつを殺すことにした。


 なんでも、俺がちゃんと生き物を殺せるか、という実験らしい。後で術式の方も実験する。


「ギッ!」


 ゴブリンが俺に突っ込んでくる。


「……ふっ!」


 俺はそれをかわしてボディに拳を叩き込む。


「ガッ! ……ギギィ!」


 呻いて、棍棒を振り回した。


「っ!」


 俺はそれを片手で止める。……そこまで腕力はないらしいが、結構痛いな。


「ちっ!」


 俺は今回、ゴブリンを素手で、手っ取り早く殺す方法を考えついた。


「おらっ!」


 それは、ゴブリンの棍棒を奪って、それで頭を殴った。


「ギッ!」


 ゴブリンの血が俺の顔に付く。……ゴブリンは絶命したらしい。


「……」


 ……モンスターを殺すってのは、こういうことなのか。後味が悪い。


「……随分、重い」


 例えば元の世界で、蟻を踏んで殺しても気にも留めないだろう。だが、モンスターは何故か違う。何故だろう。何でこんなにも重いんだろうか?


「モンスターを殺すということは、そういうことです」


「……そうか」


 だが、殺せない程でもない。この世界でモンスターを殺すことは普通だ。金を稼ぐために必要なことだ。時には人害も与える。


「……単純だな、俺って」


 どんな理由を付けようが、俺はモンスターを殺せる。


 だって俺は、元の世界に退屈してたんだから。


 こういう刺激、スリルが欲しかった。……戦いたかったんだから。


「んじゃ、次いくぜ」


 今度はゴブリンの群れを探す。


 戦闘狂じゃあない。ちゃんと命の重みは理解してるしな。


「……はい、主」


 ちゃんと皆ついてきてくれた。

術式については後々明らかにしていく予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ