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『異世界に行ったら、鞄の中が実家の商店でした』  作者: 稔


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ユーカリの植林、始めます!

「うむ……」


私は小屋から少し離れた場所を見渡した。


周囲には木々があるものの、今のところ大きな木が密集しているわけではない。


「この辺りで良いかな?」


ユーカリを育てる場所としては悪くなさそうだ。

将来的には薪として使う予定なので、小屋から離しておきたい。

それに、ユーカリがどのくらい大きくなるのかも分からない。


「まずは苗木を植えますか」


私は持ってきたユーカリの苗木を見る。


二十本。


「種は……」


残してある種袋に目を向ける。


「ネットで確認してから撒きたいから、後回しにしよう」


苗木と違って、種から育てる場合は発芽の条件を調べておいたほうがいい。


土。水。温度。植える深さ。


せっかくの種を無駄にするのももったいない。


「それに、苗木がちゃんと育つかどうかも確認したいしね」


まずは苗木で試す。

それで問題なければ、種も撒いていけばいい。

私は植える場所を改めて確認する。


「間隔もそこそこ空けたほうが良いわよね」


ユーカリが大きくなることを考えれば、最初から詰めて植える必要はない。


大きくなってから困るより、最初から余裕を持っておいたほうがいい。


「二十本なら、このくらいかな」


私は地面に印を付けていく。


一本。また一本。


少しずつ間隔を空けながら、植える場所を決めていく。


「これなら大きくなっても大丈夫そう」


もちろん、本当にどこまで大きくなるかは分からない。だからこそ、余裕を持たせておく。


「よし!」


場所は決まった。苗木も準備できている。

水も用意した。


「さー! やりますか!」


私はスコップを手に取った。

まずは一本目。土を掘って、苗木を入れる。

周囲の土を戻して、軽く押さえる。

そして水をやる。


「はい、一本目!」


続いて二本目。


三本目。


「……これ、二十本あるんだった」


思わず手を止める。


「結構あるわね……」


果樹の時もそうだった。

植えるだけなら簡単そうに思えるのに、実際にやってみると意外と時間がかかる。


「まあ、急ぐ必要はないか」


燃料として使えるようになるのは、ずっと先の話だ。今は一本ずつ、しっかり植えていけばいい。私は再びスコップを握った。


「頑張って大きくなってねー」


こうして、村の新しい燃料となる木。

ユーカリの植林が始まった。

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