↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界に行ったら、鞄の中が実家の商店でした』  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/32

初めての来訪者

小屋の中を見回す。


「木材……あった!」


どうやら小屋を建てた時に余ったものらしい。


「これを使えばいいわね」


私は木材を並べて、正方形になるように組んでいく。


「よいしょ……」


木材を釘で固定していく。

そして――


「金網をくっつけて……」


さとるが持ってきてくれた細かな目の金網を、木枠に取り付ける。


「よし!」


完成した。


「簡易的な篩!」


動画で見た通りだ。

これを畑に立て掛けて――


「スコップで土を投げつける!」


ザッ!


土をすくいそして、金網へ向かって投げる。


サラサラサラ……


細かな土は金網を通り抜けて下へ落ちる。


コロン。


小石が金網に引っ掛かる。


「おお……」


さらに根っこや雑草も引っ掛かっている。


「なるほど」


理屈は分かる。

分かるんだけど――私は周囲を見回す。


「この広い土地を全部!?」


目の前に広がる、荒れた畑。

結構広い。


「…………」


スコップを見る。篩を見る。

そして、畑を見る。


「……はぁ~」


一気にやる気がなくなった。


「暑い」


太陽が照り付けて、汗が額を流れる。


「急ぐこともないか」


ミカミさんからも、ゆっくりしてこいと言われている。


「のんびりやろう」


一日で全部終わらせる必要なんてない。

少しずつやればいい。

今日はこの辺まで。明日はあっち。

そんな感じで進めればいい。


「よし」


私はスコップを置いた。

その時だった。


ガサッ。


「!?」


何か音がした。

私は振り返る。


「……」


森の方を見る。


「何?」


静かだ。

鳥の声だけが聞こえる。


「動物?」


ここは森の近くだ。動物くらいいるだろう。

そう思った。


でも――


ガサッ。


「……!」


また音がした。

さっきより近い。


「何……?」


私は立ち上がる。

風が吹き、森の木々の葉が揺れている。


「何か近づいてきてる?」


心臓がドクンと鳴る。

昨日までなら、ただの動物だと思っていたかもしれない。


でも、ここは異世界。

さとるの言葉が頭をよぎる。


『魔物。人だって、どんな人がいるか分からない』


「……」


私は腰に手を伸ばす。

そして――鉈を握った。


ギュッ。


「……」


ガサッ。


「!」


さらに近い。


「何!?」


私は小屋へ一歩下がる。

森の中を睨む。


「かなり近い……」


ガサッ。


枝が大きく揺れる。


「……」


鉈を握る手に力が入る。


「お願いだから……」


私は息を殺す。


「普通の動物であって……」


ガサッ!


今度は、すぐそこ。


「――っ!」


何かが、森の中から姿を現そうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。