↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界に行ったら、鞄の中が実家の商店でした』  作者: 稔


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
85/171

燃料問題に光が見えた?

「姉さん! 返信きたよ!」


「何だってー?」


私はパソコンの前から振り返る。


「ミカミさん、何て?」


「えーっと……」


さとるがメールを確認する。


「『好きにしろ! こっちからの物は持ち込んで良いって言っただろ?』だって」


「……」


なんともミカミさんらしい返事だ。

さらに続きがある。


「『それに、そっちの担当の神が喜んでたぞ! もっとやってくれって!』だってさ」


「……本当に良いのか?」


思わず呟く。

神様同士で話がついているなら、こちらとしてはありがたい。


でも、あまりにも簡単な返事だった。


「何の話よ? しかもユーカリって」


「え?」


さとるが聞き返す。


「あー。燃料よ」


私はパソコンの画面を見ながら説明する。


「ユーカリがどうやら二、三年でそこそこ大きくなって、燃料にもなりそうなの!」


「へぇ」


さとるも画面を覗き込む。


「あー。こっち、薪しか無さそうだしなぁ。それでか」


「そうなのよ」


薪は必要。


でも、森を薪のためにどんどん切ってしまったら、環境への影響が心配だ。

だから、燃料用の木を別に育てられればと思った。


「……あれ?」


さとるが何か思い出したように言う。


「でもユーカリって、毒素出さなかったけ?」


「そう!」


私は頷く。


「それを確認したかったんだけど」


だからこそ、ミカミさんに聞いてもらったのだ。


ユーカリを持ち込んでいいのか。

この世界で育てても問題ないのか。

周りの植物に影響が出ないのか。

いろいろ気になっていた。

ところが返事は――


『好きにしろ!』


「……まあ、ミカミさんがそう言うなら」


さとるが苦笑する。


「なら良いのでは?」


「そうね……」


少なくとも、持ち込みそのものについては問題ないらしい。あとは、この世界で実際に育ててみるしかない。


「いきなり大量に植えるんじゃなくて、まずは試してみればいいか」


「そうだな」


「ユーカリの苗木、植木屋さんに注文しておいて!」


「分かった」


「種も手に入ったら、そっちも!」


「苗木と種、両方?」


「そう!」


苗木なら、早く成長を確認できる。

種なら、こちらで増やせるか試せる。


「まずは少しずつね」


いきなり燃料用の木を大量に植えるのは怖い。

この世界でどう育つか。

他の植物にどんな影響があるのか。

ちゃんと確認しながら進めたほうがいい。


「じゃあ、植木屋さんに連絡してみるよ」


「お願い!」


さとるがパソコンへ向かう。


ちほはその様子を眺めながら、もう一度考える。


お風呂を作りたい。

そのためには大量の燃料が必要。

その燃料を確保するために、木を育てる。


「……お風呂一つで、随分大掛かりになってきたわね」


最初は、ただ温かいお湯に浸かりたかっただけなのに。


でも――


「上手くいけば、村の燃料問題そのものが少し楽になるかもしれない」


そう考えると、悪くない。

まずは試してみよう。


「ユーカリが、この世界でどう育つのか」


それを確かめるところからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。