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『異世界に行ったら、鞄の中が実家の商店でした』  作者: 稔


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新たに改良

そこへ、村の人がやって来た。


「ちほさん、それは何だ?」


「あ、一輪車です」


「一輪車?」


私は簡単に使い方を説明する。

すると、その人も興味を持ったようで、一輪車を押してみる。


「ほう……」


そして、近くに置いてあった薪を何本か載せる。


「これなら薪を運ぶのにも便利だな」


「でしょう?」


「畑でも使えるぞ」


「やっぱり!」


私が嬉しくなっていると、別の村人までやって来た。


「何をしているんだ?」


「新しい道具を試してるんですよ」


説明すると、その人も一輪車を眺める。


「なるほど……これなら荷物を一人で運べる」


「そうなんです」


「面白い道具を考えたな」


「いや、私は地球にある物を見せただけですけどね」


実際、そうだ。


この一輪車を一から考えたわけじゃない。

私は画像を見せただけ。そこから作ったのは村の職人さんだ。


そして、実際に使い始めたら、職人さんが改良してくれた。


「……やっぱり、この流れがいいな」


私が何かを提案する。

村の人が作る。使ってみる。

問題があれば改良する。


そして、もっと良い物になっていく。


今回も同じだ。


「私が全部作らなくてもいい」


むしろ、そのほうがいい。

村の人たちが自分たちで作って、自分たちで改良していく。

そうすれば、これから先も続いていく。


「……これ、村でも何台か作ったほうがいいんじゃない?」


私がそう言うと、村人たちは一輪車を見る。


「確かに、何台かあれば便利だな。畑でも使える。薪運びにも使える。水を運ぶのにも使える」


どうやら、みんなも同じことを考えているらしい。


「じゃあ、何台か作ってみるか」


「お願いします!」


こうして、一輪車は私専用の道具ではなく――村で使われる道具になっていくことになった。


「よし!」


これで苗木運びも楽になる。

そして何より――


「私の腰も助かる!」


これは大事。

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