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『異世界に行ったら、鞄の中が実家の商店でした』  作者: 稔


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次は織り機を作ろう!

そうだ!

私はふと、あることを思い出した。


「紡ぎ機を作ってもらってるんだから、その次を準備しておかないと!」


先日、村長さんに紡ぎ機の資料を渡した。

それを元に村の職人さんたちが作ってくれている。


糸を作るところまで進めば、次に必要になるのは――。


「織り機!」


糸ができても、それだけでは布にはならない。

糸を縦横に組み合わせて、布にするための道具が必要だ。


つまり、紡ぎ機の次は織り機。


「でも、織り機なんて私作れないしなぁ……」


私はパソコンを開いて、ネットで検索する。

すると――。


「あった」


おもちゃみたいな小さな織り機。

値段は……。


「三千円くらいか」


思ったより安い。


本格的な織り機は当然もっと大きいけど、今の私に必要なのは実物を見ること。


「これなら……」


私は画面を眺める。

サイズも小さい。

これなら鞄の入口を通る。


「持って行けるでしょ」


そして、もう一つ重要なことがある。


「おもちゃみたいだけど、現物があれば……」


村の職人さんたちなら、これを参考にして大きくできるかもしれない。


水車の時もそうだった。

私が作るんじゃない。

私は「こういう物がある」と伝える。

そして、実際に作るのはこの世界の職人さんたち。


だったら今回も同じだ。


「写真や説明だけより、実物があった方が絶対分かりやすいよね」


私は商品ページをもう一度確認する。


サイズも問題なし。

値段も問題なし。

そして――。


「よし」


ポチッ。


注文完了。


「二、三日で届くっしょ」


あとは届くのを待つだけ。

届いたら村へ持って行って、村長さんに見せよう。


そして、紡ぎ機で糸を作って。その糸を使って。織り機で布を作る。


「……なんか、本当に産業みたいになってきたなぁ」


最初は村をちょっと便利にできればいいと思っていただけだった。


それが水車になり。農具になり。革細工になり。今度は糸と布。


「このままいったら、服まで作れるようになるのかな?」


そう考えると、少しワクワクしてくる。


「まあ、まずは紡ぎ機だけどね。届くのが楽しみだなぁ」


こうして私は、紡ぎ機の次の一手――。

小さな織り機を注文した。


そして数日後。


その小さな道具が、この村のものづくりをまた一歩進めることになるのだった。

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