竹林の手入れを始めよう!
資料をまとめたちほは、まず村長のところへ向かった。
「村長さーん!」
「おお、ちほか。今度は何じゃ?」
「竹について調べてきました!」
ちほは、印刷した資料を村長へ手渡す。
「ほう……」
村長は紙をめくっていく。
竹籠。竹細工。竹筒。家具。建材。
さまざまな竹製品の写真や説明が並んでいる。
「……こんなに製品が作れるのか」
「はい!」
ちほも頷く。
「今すぐ全部作るのは無理だと思いますけど……」
「そうじゃな」
村長も資料を眺めながら頷く。
「まずは竹を扱えるようにするところからじゃな」
「そうですね」
「それにしても……」
村長が竹林の方向を見る。
「これだけの竹があるんじゃ。うまく使えれば、大きな収入になるかもしれん」
「私もそう思います!」
竹林の可能性は大きい。
ただし、そのためには――まず、竹林そのものをちゃんと管理しなければならない。
◇
ちほは、竹の世話について調べた資料も印刷していた。それを持って、再び竹林へ向かう。
「さて……」
竹林を見上げる。
「竹って、どうやって管理するんだっけ?」
地球で竹林を見たことはある。
しかし、自分で管理したことなどない。
そこで、調べてきた資料を確認する。
「ある程度、間引きか……」
竹が密集しすぎると、竹林の中が暗くなってしまう。そのため、不要な竹を切って間隔を空ける。
「なるほど……」
ちほは竹を見回す。
「でも、どれを切ればいいんだろう?」
そこで、近くにいた村人へ声をかける。
「すみません!」
「ん? どうした?」
「竹の世話をしたいんですけど……手伝ってもらえますか?」
「構わないぞ、ちほさん」
「ありがとうございます!」
「それで、何をすればいい?」
「まずは……間引きです」
「間引き?」
「はい。竹が密集しすぎないように、ある程度切ります」
「なるほどな」
村人は竹林を見回す。
「確かに、かなり多いな」
「ですよね……」
「で、どれを切る?」
「えーっと……」
ちほは資料を見る。
「それを今から考えます!」
「ははは。分かった」
ちほは竹林の中へ入っていき、一本。また一本。竹を見ながら歩いていく。
「この辺りかな?」
竹と竹の間隔を見る。
「もう少し空けた方がいいかな……」
さらに奥へ。
「ここは密集してるな」
ちほは考えながら、切る竹に印をつけていく。
「ある程度、間隔を空けて……」
しかし――正直、よく分からない。
「……これでいいのかな?」
「ちほさん?」
「はい?」
「その竹を切るのか?」
「たぶん!」
「たぶん!?」
「資料を見る限り、間隔を空けた方がいいみたいなので!」
「なるほどな」
村人は苦笑する。
「まあ、やってみよう」
「お願いします!」
ちほはさらに印を付けていく。
「ここも……こっちも……この辺りも少し……」
ある程度の場所に印を付け終わった。
「ふぅ」
ちほは額の汗を拭う。
「これでお願いします」
「分かった」
「そうしたら、ノコギリを持って来てもらっていいですか?」
「ノコギリ?」
「はい。印を付けた竹を切りたいので」
「分かった。取ってくる」
村人が戻っていく。
その間、ちほは切る予定の竹を改めて確認する。
「……間引きした竹は取っておけばいいわね」
捨てる必要はない。
竹製品に使えるかもしれない。
「切り倒したら、干すのか」
資料を見る。
竹は切ったばかりでは水分が多い。
加工するなら、しっかり乾燥させた方がいい。
「じゃあ、まとめて置いておこう」
「ちほさん、持ってきたぞ!」
「ありがとうございます!」
村人がノコギリを持って戻ってきた。
「では、お願いします!」
「おう」
ギコギコ……竹を切る音が竹林に響く。
「おお……」
竹がゆっくりと傾いていく。
「倒れるぞ!」
ドサッ!
「おお!」
「結構重いな」
「これ、ちゃんと使えそうですね」
「だな」
切り倒した竹を、決めた場所へ運んでいく。
「ここにまとめて置いておきましょう」
「分かった」
「あと……」
ちほは切り倒された竹を見る。
「枝も切ってもらわないと」
「枝か?」
「はい。加工するときに邪魔になると思うので」
「なるほどな」
村人たちは枝を落としていく。
「こうして見ると、竹って結構長いな」
「これだけあれば、色々作れそうですね」
「まずは乾かしてみるか」
「そうですね」
切った竹が、少しずつ積み上がっていく。
ちほはその様子を見ながら、ふと思った。
「……これ、かなりの量になりそう」
竹林を見るとまだまだ竹は残っている。
「間引きだけで、こんなに竹が採れるんだ……」
そして――これは、まだ始まったばかりだった。




