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上覧②

 そして実演は3か月後の6月27日に行われることになった。


本物の4分の1の大きさとはいえ、機関車部分だけで長さ約2.5メートル、幅1.5メートルほどある。それに6歳ほどの子供がかかがめば入れるほどの高さに長さが3.5メートルもある客車と炭水車が付属していて本物を精巧に縮小再現している。


 1周約110メートルのレールが敷かれ時速は30キロに達する。

 先だって横浜にてアメリカの技師による試運転を英龍も家臣や塾生を伴い見学していたが、興味本位で客車の屋根に乗った武士はそのスピードに驚き、必死にしがみつく表情は恐怖に怯えきっていた。



 将軍の御前で事故や不手際などあってはならない。

 蒸気機関車は火を入れてから始動できるまでに5時間を要するため、午前8時開始予定の上覧に合わせ、英龍は午前3時に家を出て準備を始めた。


 大きさは全然違うが、黒船と同じように煙突から蒸気を吹き出し、汽笛を上げて走り出す機関車に一同歓声を上げた。

 脱線や機材がはがれて将軍を傷つけることがないよう、客車の壁を押さえる者がいるため速度を抑えて走行させていると、

「横浜では人が走っても追いつかないと聞いたが、これではよく分からぬ。」

と家定が不満を漏らしたため、英龍は壁を押さえる者を退かせ再度汽笛を鳴らし、最高速で走らせた。


 風を切って走る巨体の鉄の塊に恐怖する者もいたが、将軍は手を叩いて喜んでいる。そして今度は速度を落として客車の屋根に人を乗せて走る。再び歓声が沸き、試運転は大成功に終わった。


 この上覧は見学できた者は高位の者達で人数も制限されていたため記録がわずかしか残っていないが、万次郎のような経験者や情報通の蘭学者、からくり技師などの専門職ではない、多忙の代官職の旗本が蒸気機関車を運転したというのは英龍の知られざる偉業の一つである。

代官の主な仕事

年貢の徴収、 道路・河川の整備、用水管理、災害対策、農業支援、領民間の争いの調停・裁判、犯罪の取り締まりや治安維持、土地の調査と収穫量(石高)の確定。


英龍はプラス反射炉・台場の築造、大砲や銃の製作、韮山塾で高島流砲術の教育+蒸気機関車の運転←new

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