就活後記 ~スキル編~
これは、現代社会に翻弄されながらも自分の意思を貫こうともがき苦しむ大学院生、舞の日常を残した記録である。
就活において、彼女が特に力を入れていたのは、自分のことをアピールする事よりも、相手の真意を読み取ることだった。
これは就活に限らず、どんな時でも、言葉を使うというある種厄介なスキルを身に付けた人間を相手にするときに役立つと彼女は感じていた。
人間社会において、コミュニケーションというのは必要不可欠となっている。
就活においても、それは例外ではない。
ESにしても面接にしても、短い文章や時間の中でコミュニケーションを取りながらお互いを探り合っているものだと舞は理解している。
コミュニケーションの大事な要素は言うまでもなく大きく2つ、伝える能力と聞く能力である。
その2つのうち、彼女が特に重要だと感じているのは後者である。
聞く能力といっても、ただ相手の言葉を聞いて内容を理解するだけではない。
相手の言葉選び、所作、または話の間をみながら、相手の真意を読み取ることが必要だと感じている。
例えば、何か質問をされたときに、どういう意図でその質問をしているのか。
あるいはその発言の真意はどこにあるのかというようなことである。
いつかも話したが、相手のあらゆる所作が、その人を理解するうえでの情報となり得る。
だから、舞にしてみれば、言わないのも情報なのである。
時々、話さないと何を思っているのか理解できない、というようなことを言う人もいるようだ。
分からなくはない。
ただ、これはある種暴言だとも彼女は思っている。
相手の意図さえつかんでしまえば、そのあとの会話の進みがスムーズなのである。
こちらは、そのポイントに合わせて応えるだけでいい。
相手からすれば、ほしい答えが返ってくるのである。
面接で自分のことを測られているとはいえ、受験のように、ただの合否ではないのが就活である。
この人、うちの会社に来てやっていけるかな?ってところが本当のところである。
そう考えると、面接においてこっちだって、その会社でやっていけるかどうかを見極めたっていいのである。実際のところ、その人が優秀かどうかはある程度見られるとはいえ、そいつと一緒にはたらきたいかどうか、そこで働きたいかどうかが音の部分にはあると思う。
面接は試験ではあるが、結局のところ人と人とのコミュニケーションである。
自分のことをアピールするのも大切だが、お互いに心地の良い時間を過ごせるかどうかの方が、今後の仕事を考えると、大切なのではないだろうか。
内定を1つでも持っているか否かで、心持ちがかなり違うものだ。それは文章にも表れてる気がする。




