50 3VS3 2
お待たせなのん
5組と1組は会場の端に置かれたイスへと移動する。
イスは結界の中にあり、負けた生徒は控え室に戻され勝敗が分かりやすくなっている。
予定外の決闘になるため、試合時間は短く5分となっている。
「順番はだれからにします?」
「……」
「俺は大将やるぜ!魔法より物理のほうがスゲーって思わせてやるんだ!」
「却下です」
「……」
「む?なぜだ?」
「大将は一番強い人がなるべきだからです、相手は当然主席でしょうからね、ゼニル程度で瞬殺もいい所ですね。」
「だからこそ俺がでるんだ!」
「はぁ~……主席っていうのは、そういうのも含めて主席なんですよ?貴方には無理です」
「……」
「それに、貴方の武術を認めさせるのならば、学年次席でも十分な効力が見込めますよ」
「むぅ……」
「シエルさんは……一番手でいいですね?」
「……(コクコク)」
ゼニルは暫しうんうんと唸り声を出しながら考えると
「わかった、2番手でよかろう」
「そしてラストは私、一番おかしくない組み合わせですね」
「……」
やがて『1組と5組の対象者は会場にお集まりください』とアナウンスが頭の中に響いた。
「行きますか!」
「応!」
「……」
勝つ?カツ?喝!みたいな?いかんいかん何考えてるんだろう…でも一番手…多分クララさんだよねえ、わざと負けるとかそんなこと出来そうにないし、クララさんはそういうの敏感っぽいしなぁ…真剣にやってるフリをしながらこっそり負けるか、時間切れの引き分け狙いか、相打ちによる引き分けか…勝つって選択肢は正直無いかなぁ。
シエルは会場に移動しながらそんな事を考えていた。
願わくば赤髪の男子生徒と当たりますように、と区切りをつけ正面を向いた。
そこに立っていたのは。
「手は抜かないでくださいね?」
クララだった。
いや、予想通りだったけどね?なんか手を抜くのが前提で話されても困るんだけど…間違ってないのがなんか癪だけど。
『さぁさぁ魔女狩り大戦のエキストラマッチ!1組対5組!正直これは勝負になるのか些か疑わしいのですが…まぁそこは良しとしましょう!1回戦の対戦カードはこちら!
1組からは学年3位のクララ・エンディールさん!魔法の成績はなんと学年主席に次ぐ2位!座学の成績も申し分無く、ほぼ完璧と言えるでしょう!ですが…少々天然というかなんというか…そんな子です!
5組からはなななんと!ワースト2位のシエルさん!シエル・リースファル!試合映像から見ても結界属性の使い手で、さまざまな利用法で相手の戦意を削いだ戦いとも呼ばないゲスな作戦を実行した張本人です!ですが、様々な結界魔法を同時に扱う才能は素晴らしいと言っていいでしょう!そんなシエルさんはその美少女としか言いようがない容姿が全く動かない無表情で残念なことになっていることから『残念姫』と呼ばれています!……ってあれ?これどう考えても5組の成績じゃないような…まぁいいでしょう!
では、お二人とも準備はよろしいですか?』
「はい!」
「……(コクコク)」
すーっと息を吸い込みながらシエルは上を見た。
そしてこう思った。
本当にどうしようか…。
『それでは、始め!』
その声と同時に、会場は竜巻によって巻き上げられた砂埃で視界が塞がれた。




