45 手を組んでくれないだろうか! 3
いきなり立ち上がったシエルに視線が集中する。
普通に驚いたのだ、だが驚いたのはクララが引き抜かれることにではない、もちろん引き抜くのなら少しでも喋ったことのある人がいいのだが、驚いたのは
”クララよりも上手く魔法が使える人が上に二人も居たこと”
に驚いているのだ、それと同時に『引き抜くならクララしかない』と決意を固めた。
ただ同時に渡したくないとも思う。
視線をフセルに向けると静かにコクリと頷かれた。
『引き抜くならクララ一択』
『分かってますわ』
『裏切られるなら』
『『裏切り返せ!』』
そんな会話が交わされたような気がした。
そっと席に座るシエル
「分かりました、その条件で手を組みましょう」
「そうか!なら」
「ですが、こちらが引き抜くのはクララ・エンディールさん一択です」
「何を勝t」
「クララ・エンディールさん一択です、わかりましたか?」
「むぅ……わかった」
「同盟成立だ、ありがとう、では失礼する」「ええ、お疲れ様です」そう挨拶すると4組の生徒は帰って行った。
しかし、すぐにフセルはパンパンと手を叩くと注目を集め
「皆さん、正直クソめんどいかもしれませんが、話を聞いていただけますか?」
その声に真剣な表情でクラスメイトがフセルを見た。
「落としどころはクララさんの引き取り、だと思ってはいませんか?」
分かってる人7割、分かってない人3割といった感じだろう。
「4組は裏切る気が満々です、ですから今から提案する二つの内どちらかを実行したいと思います
1つ、大戦終了後、もう一度4組に宣戦布告をする
2つ、大戦中戦力を温存し、最後のほうで4組を裏切って殲滅し、引き抜きの権利を宣戦布告をする形で奪い取る
どちらがお好み?」
「それ勝てるのか?」
「逆に言いますと、これを逃すと二度と勝てませんよ?クソ残念なことに」
「なら大戦終了後にもう一度宣戦布告をしたら余計勝てないんじゃないか?」
「じゃあ引き抜かれてから宣戦布告しろと?そんなお馬鹿なこと出来ません、それこそただ負けるだけの戦いですわ」
「ならなんで4組が負ける可能性を考えない?」
「あの4組の代表?さんはまだ甘いですけど、バカではありませんでした、ああいうタイプは必ず、何か的を射てる作戦がある、そう判断しました、足りなければ合同で作戦を立てればいいじゃない、それに……2組もきっと引き込まれますわ」
「何で2組が引き込まれると、そう思う?」
「簡単なことですよ、こう言えばいいんです『クラス替えの権利を譲渡する』そういえばいいんです。」
「それだけで引き受けてくれるとは思わないんだが?」
「引き受けますよ?2組の設備は王族レベルのVIP生活、その上は一体どんな設備が揃うんでしょうか?1組に勝ったという成果はどう出ますか?最後に裏切って全クラス殲滅できたら?その成果は果たしてどれほどの効果が出ますか?正直バカになりませんよね、それが分からないほど2組は愚かじゃないはずです。」
「…だがそれすらも読まれてるんじゃないか?」
「そう、そこでさっきの2択、簡単に成果で選べといわれたらこうなります。
4組を壊滅に追い込むか
いっそのこと大戦で優勝の肩書きを取れるかもしれないギャンブルに出るか
どうしますか?」
物騒な物言いだが、遠まわしにこう言っている、『揺るがない4組の座を勝ち取る』か『優勝と言う肩書きを手に入れるかどうかのギャンブルをするか』。
シエル的にはギャンブル一択、成績を上げること自体ルルエにダメと言われているからとは言えないが。
数分の静寂の後、ポツポツと「俺はギャンブル」「今後を考えると4組だ」と声が上がり始めるが、ギャンブルのほうが多くの声が上がり、『魔女狩り大戦』では2つ目の「大戦中戦力を温存し、最後のほうで4組を裏切って殲滅し、引き抜きの権利を宣戦布告をする形で奪い取る」で決まった。
なぜこの選択肢が優勝の肩書きを手に入れるギャンブルになるのか、それは、最後には1組も殲滅するからである、当然説明されていないため、クラスメイトが知る由も無かった。
5組のこの作戦は、後に『ゲスの戦い』といわれるのは別の話である。




