40 プッツン
PV2万らしいです。
せんくす
翌日
授業はなかった。
ただ身体測定のようなイベントはあったが、特にこれといったイベントも無い為割愛となる。
フセルは流石に落ち着いたようで、朝目が覚めた頃には熱い視線は感じなくなった。
あの食べ物を狙うような、恋人を見るような視線を感じなくなったのは良かったなぁ〜。
「今何か変な事考えました?」
「……」
今は寮の自室で二人、家具の配置を変えるかどうかを考えているところだ。
変えなくても狭いということは無いのだが。
「取りあえずベッドは引っ付ける?」
「……」
「…あれ、もしかして嫌です?」
「……(ふるふる)」
でもなんでまずそこから?
じーっと目を見つめる。
普通に首を傾げているのを見る限り初日のような熱っぽい視線は感じない。
ベッドは一人寝たら少し余裕があるぐらいのサイズで引っ付ける必要性は無い。
「とりあえずここをこうで、引っ付けたらこっちがこれだけ広くなるから、それでクローゼットと机は反対側、でクローゼットはこっちで机は空きスペースの真ん中…でいいかしら?」
「……(コクコク)」
あれよあれよと配置が変わっていく。
左奥にベッドが並び、足元にクローゼット、右真ん中辺りに丸机がくるように移動させられた。
「とりあえずはこれでいいかしら?」
「…(コクリ)」
ポフッ。
シエルがベッドの上に乗ると空気の抜ける音がした。
いつの間にかポンチョはハンガーに掛けて窓際に掛けられ、隠れていた素肌がよく見える、無防備極まりないのだが、ルルエの屋敷で生活していると、男性が少ない所為でこういうところで無防備になってしまうのだ。
その辺り教育されなかったのかと言われればノーだと言えるだろう。
スカートから伸びる、筋肉の少ない柔らかそうな脚、肩まで伸びた銀髪の間から覗く白いうなじ、翼の生えた白い背中、この光景が男に見られていないことをどこかホッとするような気持ちでフセルは眺めた。
「もうちょっと警戒して下さい、クソはしたないですよ!」
「……(サッ)」
スカートの裾を摘んで隠す…ことはせず、布団を捲って肩まで被った。
すると
スー…スー…と寝息を立て始めた。
「えっ、眠るのクソ早過ぎでしょう!?!?」
「す~…すぅ~……」
微かに開いた口から空気が抜けていく。
はぁ~…と言いながら隣に腰掛け、フセルもポスッと横向きに倒れこむ。
すぐ正面には布団に顔を埋めるシエルの姿が映る。
髪を少しだけ持ち上げ、顔を覗くがやはり全面的に布団に顔が埋まっていて見えなかったが、口の辺りが涎で少しだけ湿っているのが分かるが、この際気にしたら負けかとフセルは切り捨てた。
「ふや~…す~…」
「むぅ……声になってないから良かった、昨日も寝言じゃなければ大丈夫でしたし、聞いてしまわない内に着替えてどこかに行きましょうか。」
クローゼットから動きやすい服を手に取り、制服を脱ぎ、着替えた。
シンプルな白いブラウスと、サスペンダー付きのハーフパンツを着た。
でもお気に召さなかったようでいつもの人形ファッションに着替え、部屋から出ようとドアノブを握――……
「フセルぅ~……こえからよぉしくぇ~…」
プッツン…
フセルはフセル自身の何かが切れたような気がした。




