32 入学準備
結論から言おう、受かってました!それも合格者200人中199位で!
受験から早くも4ヶ月、面白いほど最底辺の点数を取ったシエルは(ナギリさんの言ったとおりだったなあ)と思いつつその結果に満足した、アーテルには苦笑いされ、ルルエは大満足といった感じで喜ばれ、クルトは合格したこと自体はどうでもよさそうだったが雰囲気で喜んでいるのが伝わったらしくずっとニコニコしていた、ダンテはいつも通りダンディに佇んでいてよくわからなかった。
そして入学準備をするのが今日である。
「さぁ!入学準備しにいきましょう!」
「……!」
「といきたいところなんだけど」
「……?」
「実は諸事情により私の手作りなんだよね…」
「……」
それって種族的な問題しかないよね?
シエルはそう考えたが実はその通りである、シエルは個人として変わった有翼人、種族的にも滅多に人前に出ない、そのためそう簡単に他人に種族を明かすわけにはいかないのだ、つまり手作りしかない。
「あ、でもカバンとかはちゃんと用意できるからね?」
「……!」
「ていうことで、サイズ、計らせてね?」
「…………(コクコク)」
それからルルエの部屋に連れて行かれ、スリーサイズから身長、腰から翼の距離、腕や足の長さまできっちり測られた後、シエルは久しぶりに着せ替え人形状態になった。
「コンセプトは『ちょっとエッチな背中』」とか言いつつ大量の服を持ち込まれた、ゴスロリ系各種はもちろんのこと、社交界に着ていくドレスももちろんある、村娘風ワンピースも箱入りお嬢様風の白いワンピース、悪女風煌びやかなドレス、成金悪趣味お嬢様、などなど……しかも全部背中が大きく開いている為少し寒く感じたシエルだった。
これで終わりだぁ…とおもったら今度はクルトに捕まり、またも着せ替え人形と化した。
ルルエ家は比較的自由だからこそ出来る事だが本来ならクビになってもおかしくないレベルである。
そんなクルトのコンセプトは「ボーイッシュなお嬢様」らしい、理由を聞くと「全体的に男の子っぽい体つきですのでまだこちらの方がお似合いかと…」とのことらしい。
結果、現代日本に負けず劣らずの格好をする着せ替え人形と化したシエルの記憶はほとんど残っていなかった、疲れて。
それから更に1ヶ月。
居間に集まった一同。
集まったのを確認したルルエは開口一番にこう告げた
「シエルちゃん!完成だよ!」
「……!」
「お嬢様、なかなか良い出来ですので期待していて下さい!」
「妾も期待しているぞ。」
「それでは、お披露目!パチパチパチ~!」
その声と同時にファサっと目の前の布が取られ、宙を舞った。
現れたのは全体的に紫色が中心の魔法少女風のワンピースドレス、膝上丈のスカート、何段にも重ねられたスカートはふわっと広がり、僅かに覗く白い生地が目立ち、上はも邪魔にならない程度にリボンやレース、フリルがあり、肌触りもかなり良好だ、だけど……裏を見ると背中がよく見えるようになっている、それも地肌だ、翼がある位置に合わせてひし形の穴、少し視線を挙げると紐で編み上げて着るようになっており、一番上、首筋ちょっと下の位置でリボン結びとなっていた、幸いなのか袖はしっかりとあったため最小限の露出には納まっているようには見えなくもないが子供が着る服かといわれるとそうではないと言い切れるぐらいには躊躇するような服だった。
「どうですかお嬢様!」
「なかなかの出来でしょ!?シエルちゃん!」
「……」
えっ、これ着るの?




