28 お受験?2
総合評価100こえたみたいです
「始め!」
この世界には文字を書く魔道具と文字を消す魔道具がしっかりと存在している。
カツカツと書く音が鳴る。
心地よくも感じるその音は鳴り止むことは無く、一定のリズムで鳴り続けた。
受験生が解答を埋めている間にそれぞれを受験票を確認して回る教師、その中でシエルだけぼーっとしていた。
最初は国語?とは思いたくないなぁ、ただの書き取りだし、ひらがな埋めろとかカタカナ埋めろとか漢字書けとか読めとかしょうもない…簡単すぎる。
シエルは遊んでいた、試験時間は1教科50分、前世からやっていた事のため身につくのが早く、最初から知っていたかのように覚えたシエルにとっては早く埋めたところで何も面白くないだけだった。
問題を一通り見てみたが解けない問題は無かった。
イスをギッコギッコとして遊んで残り10分、シエルは答えを書き始めた、上から十番以内に入るなと言われた事を思い出しつつカツカツと書こうとして……
やめた、5問埋めてやめた。
難しい事しなきゃいけない気がする……めんどくさい…あーっもう!いいや!
そんな感じで答えを書くのをやめた。
ようはめんどくさくなったのだ。
周りの平均点すら分からないのに点を取ってしまうと上位になってしまう恐れがあるから、ならばと下から数えたほうが早いくらいの点数にしようと決めたのである。
ラスト5分、ひらがなとカタカナを全部埋めて机に突っ伏した。
「そこまで!」
テストは終わったが「ふぅ~」という溜め息以外全く会話が無い、ちょくちょく視線を感じなくも無いが無視。
ナギリから「わざとだな」と言っているような目線をもらったがそれも気にしない。
5分の休憩を挟んで次のテスト、算数レベルのテスト、足し算から割り算、それと少しの文章問題、リンゴが~で銀貨5枚だしました~みたいな。
またも見ればわかるほど簡単な問題、シエルはサボりの趣向を変えた。
今度は足し算引き算を全部といた後、うんうん唸っているそぶりを見せながら少しずつ数字を書いていく。
だがやはりナギリから不信な目、と言うより観察するような目を向けられた。
あちゃ~…ナギリ先生にはなんとなく気が付かれちゃったかな?
そうは思いつつもやっぱり点数を取らないようにサボっていく、今度は空きスペースに1から10の数字を並べて1ずつ足していったり、掛け算の計算式をこまごまと書いては消してを繰り返して5分に1問ずつといていく、結果として掛け算からほぼ分からないと言っているような真っ黒で少しクシャクシャな答案用紙が完成した。
「やめ!」
ナギリ先生がシエルの答案用紙を回収する、すごく険しい表情を一瞬見せるも回収していった。
そして次の教科、魔法学、どれどれがこうでここがこういう効果を~と文章が連なっているが
こんなの全然ちゃうねん…熟練度、使った回数と種族と個人適正で決まるのになぁ~…まあ分かるから書くけど。
ぐらいにしか思っておらず、今度は文字を書いては消してを何度も繰り返して迷ってますアピールをして瞬く間に試験事件を湯水の如く使いまくって終了となった。
後で呼び出しとかなければいいんだけど…。
少しだけ不安がなくもないが実技までの休憩時間に入った。
机にグデ~と違う疲れを癒し始め
「あの…ちょっといい?」
受験生の女の子に話しかけられた。
灰色の髪を肩のあたりで切りそろえ、シエルよりすこし背が高く、全体的に人形っぽい顔立ちは作り物っぽくはない所為でより意識がそちらに向かうのが避けられない、そんな少女だった。




