24 8歳になりました。
「「「お誕生日おめでとう!」」」
の声が響き、毎年大きくなるケーキを目の前にロウソクの火を吹き消す。
白い煙が宙に巻き上がる。
「……」
『ありがとう!』と文字を見せて毎年のようにケーキに口をつける。
むっ、これはモンブラン風味…美味しい!だけどこれはちょっと大きいなあ…。
モンブラン風ケーキ、直径50㎝、高さ1m、段差のように何個も詰まれたその光景は圧巻である。
それでもフウカを含む6人で食べきってしまうのはやはり『甘いものは別腹』ということなのかもしれない。
「ところでさ、シエルちゃん」
「……?」
「もっと色々な人とお喋りしてみたくない?」
急にそんなことを聞いてきたルルエ。
…突然どうしたんだろう…あっ、ちょっと前にラナイアと遊んでた様子を見て「やっぱり友達欲しいのかな?」なんて思ったのかもしれない。いや確かにさ?この家に居る限り友達は出来ないとも思う、思うけどそこまでして友達が欲しいかっていわれると…そうじゃないかなぁってぐらいにしか思えない。
「じゃあさ、学校とか興味ある?」
「……(コクコク)!」
はっ!?しまった、なんか反射的に肯定してしまった…でも興味はある。
ルルエは楽しげに微笑み
「わかったわ!お義母さんに任せなさい!」
と力強く返事をした。
そのまま全員好き勝手に喋り、シエルはずっと甘いものを口に運び続けた。
時間はすぐに過ぎて行った。
そしてシエルは何故かクルトの手によってお風呂場へと運ばれていった。
理由は単純、ココアを零したから、丁度お開きになる状態だったため、そのままお風呂へGOという事らしい。
「は~い、手を上げてください~」
なんて言われたからシエルは『自分で出来る!』と書いた。
「いいから上げて下さい~!」
「……(ふるふる)!」
首を横に振って『嫌!』と主張するといそいそと服を脱ごうと背中に手を回すが…
「…!…!…!」
手が届かなかった、届きそうで届かないいやらしい配置のため諦めてクルトに任せることにする
脱げそうで脱げない…イライラする!
そんな内心などお構いなしに服をいつの間にか脱がされたシエルは今度こそ『自分で出来る!!』と主張して全部脱ぎ捨てた。
服に出来たココアのシミを見て
ルルエお義母さん手作りの服、汚しちゃった……
そんなことをクルトに伝えると
「大丈夫ですよ、ルルエ様なら「ああ、そんなの気にしちゃダメ!第一シエルちゃんはすぐ着れなくなっちゃうんだから!」とか仰って気にも留めませんよ。」
そう言われてみれば…脳内シュミレート!
「お義母さん、お洋服汚しちゃった…」
「?…それが?」
「だって…折角お義母さんが作ってくれた服なのに…」
「ぷふっ、大丈夫、すぐに大きくなっちゃうから着れなくなるわ。」
「そうだとしても…」
「じゃあ大きくなってもそれを着るつもりなの?」
「大きくなってからは着ないよ!」
「ならそれでいいじゃない?服なんてまた作ればいいし、子供の頃の服なんてなおさら手元に残らないんだから。」
うん、なんか納得は出来そうにないけど大丈夫な気がしてきた。
少しだけスッキリした気分でお風呂場のドアを開ける、白い湯気が立ち上り、暖かい空気が全身に触れる。
「それでは、お風呂、入りましょうか。
「……(コクコク)!」




