23 外出Part2 2
カジノから逃げた先、ぶつかった女の子は自分はラナイアと名乗った。
綺麗な赤髪を肩甲骨まで伸ばしている、シエルより少し身長が高いぐらいで同年代ぐらいだとわかる。
「あなたの名前は?」
「………」
名前…あっ、名乗らないと!あーでもいきなり魔法なんか使ったら警戒されちゃうかも…でもどうやって伝えよう…知らない人と話すのも初めてだし…あぁあ緊張する!
そんなアワアワとした内心を知ってか知らずか
「あー…名乗りたくないならそれはそれでいいんだ…」
「……(ふるふるふる)!!」
名乗りたくないわけじゃないんだけど!と全力否定する!…あっそうか、思いついた風に装えばいつものように言葉を伝えられるかも。
「あー…うーん…」
「……(ポンッ)」
シエルは閃いた!風に手をポンっと叩くと宙を指でなぞりながら【ダーク】を使っていく、『シエルです』と書いた。
「シエルちゃんね…よし、迷子だよね?」
「……(ふるふる)!」
続けて『お母さんにカジノ連れていかれたから逃げてきた。』と文字を書いて伝える。
「カジノ?なんでまたそんなとこ…まぁいいか」
「……(コクコク)」
ラナイアは年齢より少し大人っぽく感じているシエルは大人しくラナイアに頼ることにした。
「じゃあ遊ぼっか!」
「……」
うーん…逃げてきたと言ってもあんまり心配はかけられないし…。
そう思って『あんまり遠くには行けないけどいいよ』と文字を書いた。
「わかった、じゃあカジノ周辺で……ってあの辺は何もないし…まぁでも行こうか!」
「……(コクコク)」
そのままラナイアとカジノ周辺、噴水広場の周りで遊ぶことにした、この世界の娯楽は充実はしていないが確かに存在する、トランプぐらいなら存在するが機械のような物は存在していない。
しばらく広場でお喋りから始まり、ボールで遊んだり、トランプで遊んだり、色々と時間を潰したあと、疲れてきたのでどこか適当に腰掛けた。
「それにしても、ルルエお義母さん?は何してるんだろうね?やっぱりカジノで遊んでる?何してるんだろうか?」
「……?」
『多分だけどどこかから見てるんじゃないかな?』と書いてみせるとラナイアは周りを何度も見渡すけど何も見つけられなかったのか首を傾げた。
『邪魔したくないとかそんなこと考えながら潜んでるんじゃないかな?』と続けて書くとラナイアはもう一度周囲に視線を送ると
「あっ、居たよ?ほらあそこ」
シエルは指さされたところを見ると、まさにルルエの姿を確認することができた。
ちょっと手を振ってみようか?
「……(ふりふり)」
「!!!」
ルルエが喜んでるようなびっくりしてるような変なリアクションをとっている。
でも多分帰る時間だろう、陽も傾き始めている。
『そろそろ時間みたいだね』と伝える。
「そうみたいだね…じゃあまたね!」
「……(ふりふり)!」
なんだかすごく大人びた人だったな〜、また会えるかな?
そんな事を考えながらルルエの元に歩いていく。
「あっ、シエルちゃんお帰り、どう?楽しかった?」
「……(コクコク)」
「そっか、それよりお腹」
「(くぅ〜)///」
「聞くまでもなかったかな?お昼ご飯も食べてないし、じゃあ帰ったらご飯にしようね!」
「ルルエさんか……だったらあの子は魔女さんの弟子、もしくは後継者ってところかな?私も頑張らないとね。」
ラナイアは静かに帰路に着いた。
裏路地、人気の無い場所まで来た二人は誰も居ない事を確認すると来た時と同じように帰宅した。
「ふい〜、疲れたねぇ〜」
「なんだ?ルルエ、そのホクホク顔は…まさかカジノに行ったのか!?稼ぎすぎて店を潰したとかやめてくれよ?ルルエならやりかねんからな。」
「失礼だねアーテル、ギリギリ出禁じゃないラインで切り上げて来たよ。」
「はぁ〜…それもやりすぎだ、そろそろ本当に出禁になるぞ?」
「甘いねアーテル、3回に1回負けたフリをしてマイナスになれば出禁にはならないのだよ!」
「最低だな」




