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魔女に拾われましたが?  作者: 熊
7歳~8歳
23/57

18 外出2

短めです

「マスター!きたよ~!」

「ん?…お、ルルエちゃんじゃないか…ってその子は?」

「……(きゅっ)」


 シエルはルルエの袖を掴んで後ろに隠れてしまった。


「えっと、前話してた子だよ!」

「ほうほうそうか…ちょいと失礼。」


 マスターと呼ばれた男性は厳ついのだがどこか優男といった雰囲気を纏っており、怖いとは言いづらかった。

 マスターはシエルの前で屈んでそっと顔を覗き込む。


「……」

「……」


 二人は暫く目を合わせ、やがてマスターはニコっと破顔した。

 その姿は誰から見ても良い父親という雰囲気を醸し出している。


「まぁ二人共、その辺適当に座ってくれ」

「うん、ありがとうねマスター!」

「……(ペコリ)」


 近くにあった4人席のテーブルにシエルとルルエは片方の席に隣り合って座った。

 店内はレトロなバーと思える雰囲気となっていた。

 席に座ってすぐマスターはコーヒーと桃のジュース、紅茶をお盆に載せて二人のテーブルの上に置いてすぐに奥に引っ込み、2分ほどすると今度はサンドイッチと汁物、プリンをそれぞれ2皿分もってテーブルの上に置きルルエとシエルの正面に座った。


「シエルちゃん……だっけ?」

「……(コクコク)」

「おじさんの名前はディランって言うんだ、よろしくな!」


 ディランはスッと右手を差し出した、それに答えるようにシエルもディランの手を握り返す。


 大きくゴツい手だけど安心感があるなぁ。……ちょっとだけなら…。


「……(ペタペタ、ニギニギ、スリスリ)」


 うん、これはすごく良い手だ!安心する手!


「……(ビシッ)!」


 親指を立てて『良い手をしてるな!』アピールも忘れないよ!


 マスターは一連の行動を苦笑いを浮かべながら見守っている、ルルエはきょとんとしていたがシエルが親指を立てた時点でなんとなく分かったようでマスターに意味を話し始める。


「マスター、シエルちゃんは、貴方の手は安心する良い手だって言ってますよ。」

「お、おう、本当かい?いやぁ~照れるね」

「……(コクコク)」


 それからルルエとディランは本当に他愛もない話を続ける。

 その間シエルは二人の話を聞きながら黙々と料理に手を付け続けていた。


 二人の会話を大体に纏めると

・ディランは元商人、それも自分で自分を守れる超強い人。

・対するルルエはアーテルの言うとおり学校の校長。

・ディランはこの仕事がしたくて商人を続け、ある程度繋がりが出来てから開いたそうだ。


 大体この3つの話題で大体1時間ほど話し続けていた、シエルは段々と暇になっていき、満腹感と初めて街に来た疲れで眠そうにコクコクと揺れている。


「あら、シエルちゃん限界ね」

「そうだな、こりゃちょいと長話が過ぎたようだ」

「じゃあマスター、今日はこれで失礼しますね。」

「おう、また来てくれ。」


 ルルエはついに眠ってしまったシエルを抱きかかえるとディランの店を後にした。


「それにしても有翼人か、始めて見たが……まあいっか、さーて仕事仕事っ!」






「ぐっすりね…」

「………(パクパクパク)」


 シエルはルルエにおんぶされながら声を出さずに口をパクパクと何か喋っていたがルルエが気が付くことはなかった。

 道を歩いていく人たちの合間を縫って移動していく。

 次第に人気の無い場所に進んでいき、誰も見ていないことを確認すると来た時と同じ方法で屋敷に帰宅した。

 シエルの部屋に最後までおんぶして運ぶとベッドの上に下ろし、仰向けにして布団をかぶせる。

 穏やかに寝息を立てている姿を見たルルエはクスリと笑うと近くにある椅子を引き寄せて腰掛ける。

 どこかから取り出した本を開いて目覚めるのを待った。


「ざっと3時間くらいかな」






 んっ……眠ってたのかな…まぁあんな長い話聞いてたら眠くもなっちゃうよね…。

 

 目を擦って周りを見るとルルエが本を読んでいるのが目に入る、次に時計を確認すると大体4時間ぐらい経って日が沈み始めているのが分かる。


「んっ……起きた?そろそろ晩御飯の時間だけど…お腹空いてないよね、ならもう少し遅い時間にしよう」

「………(コクコク)」

「ん、ならそういうことだからよろしくね、ダンテ」


 ダンテの名前を呼ぶと一瞬だけ微かに布が擦れる音がした。


「始めての街は楽しかった?」

「……(コクコク)!」


 もうね、甘いもの美味しいし、色んな人が居て楽しかったよ!あとマスターの手が最高だった!


「そうかそうか、良かった、街に連れて行ったのは正解だったね!」

「……(コクコク)!」

「それじゃあまた今度改めていく?」

「…(コクコク)!!」

「わかった、楽しみにしててね!」

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