17 外出
私シエルは7歳になりました!特に変わりありません!
結局のところ魔法の練習などの日課は欠かさずやっているだけで今までと全く変わらない日常を送っている。
今日も平和に気持ちのいい風が屋敷の中を時折駆け巡る。
そんな日にはペロキャン片手に屋敷を歩き回る。
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
あっ、クルトだ。ペコリ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
あっ、アーテルだ。ペコリ
「アメ舐めとる…。」
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
あっ、ダンテだ。ペコリ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
あっ、ルルエだ。無視
「何で私だけ無視してるの!?」
いやぁ…だってルルエだし。
「あっ、そうだ…シエルちゃん、ちょっと街まで行ってみない?」
「……?」
「あー、そうだね、何で?って聞きたくなるよね。」
「……(コクコク)」
「理由はねぇ~……特に無いかな!」
あっそう…街かぁ…。
シエルは街と聞いて行きたい気持ち半分どっちでもいいやって気持ち半分となっている。
もしかしたら違うお菓子食べられるかも…。でも疲れるし…でも行きたいし………行こう!
「おっ、行く気になったね?日帰りだけど別に良いよね?」
「……(コクコク)」
「よ~しじゃあお着替えしましょうね~」
シエルはルルエの手を引いてシエルの自室へと向かう。
扉を開けていつもの少女趣味の部屋のクローゼットをルルエが開け放つ、中をゴソゴソと漁った後何着かシエルの体の上から重ねながら「う~ん…」と唸りながら数十分。
「やっぱりこれね!」
最終的には白を基調とした魔女っぽいデザインながらも良い所のお嬢様とも捉えられる膝下丈のドレスを取り出してシエルに渡した。
「着かた分かる?」
「……(……コクコク)」
シエルは服を持って着替え――る前にルルエを部屋から追い出した。
カーテンも締め切って少しだけ薄暗くなった部屋でいそいそと着替え始める。
服を脱ぎ捨てベッドの上に脱ぎ捨てる。
背中のファスナーとボタンを開け足を入れて翼が引っかからないように服を引き上げながら長袖に腕を通していく。
背中に腕を回し自分で出来る範囲でファスナーとボタンを閉める、それと腰にあるリボンを結んだ。
足に膝上丈のソックスを履く。
……なんだかすごくフリフリフワフワしてるなぁ…。
ドレスはスカートがフリルを4つ重ねたようになっており、袖や胸元にも惜しみなくフリルやリボンがしっかりとある。
まいっか…うん。
自室から出たシエルはルルエに背中を見せる。
意図を汲み取ったルルエはファスナーを上げ、ボタンを閉めた。
そしてクルっと振り返ったシエルを見たルルエは
「……これはまた破壊力が…せめて翼だけでも隠そうそうしよう」
といってダッシュでどこかに行ったと思ったらすぐに戻ってきた。
手には黒い外套を持っていた、見た目はシンプルでどこにでもあるような物なのだが
内側すっご…なんか宇宙空間みたいになってる!
言葉通り、内側は宇宙空間のようにただただ真っ黒な空間が広がっていた、中には星のように輝く白い点も見えていたりする。
これはそういう身体的な特徴を隠す為に作られた魔道具。
その外套をファサっと羽織ると翼は外套の中に納まり、あるはずだろう膨らみも無かった。
「うん、これなら普通に人間に見えるね!さ、出発するよ~!」
でもちょっと待って欲しい、この屋敷は森の中、街道なんかも一切無い、あるのはこの屋敷とちょっと広めの庭だけである。
どうやって日帰りなんてするの?
そんな疑問を打ち消すようにルルエは空中を切り裂くように十字に腕を振るった。
すると、ズズズ…と空間が十字に口を開けて穴の向こう景色が眼前に現れた。
空間移動である。
すっごぉ…いいなあそれ便利そう。
「さ、行こっか!」
穴を抜けた先はどこかの町の路地裏、人気が無いにも度が過ぎている。
薄暗くはないが明るくも無い。
ルルエに手を引かれていくとすぐに道が開け、人々の喧騒が聞こえる広場に出た。
その光景はシエルにとって新鮮なものだが同時に未知の場所や人間であるため自然とルルエの腕に絡みつくように袖をきゅっと握り締めた。
「ふふん…始めての街は怖い?…よね、でも大丈夫!私が近くに居るからね!手を離さずついてきてね!」
「……(コクコク)」
ルルエの手を握りながら街中を歩いていく。
時々見かける甘い物やお菓子を見つけては上目遣いアタックでねだるを繰り返して食べるを続けた。
やがてルルエに手を引かれるようになったところで酒場のようにも見える店の前で二人は足を止めた。
「さ、入りましょう?」
「……(こてん)?」
「ん?ここに何の用があるかって?」
「……(コクコク)」
「特に無いよ!」
「………」
二人はその店の扉を開け中に入っていった。




