9 お風呂続き
髪の毛の石鹸を流されたあとクルトはもう一度掌に石鹸を広げて少しだけ泡を立てて今度は全身を掌で洗っていく。
何時ものことだけど、結構くすぐったい。
クルトの手は最初に首をその柔らかい手で包むように傷をつけないようにしっかりと洗っていく。
そのままするすると鎖骨や肩を撫でるように優しく洗っていく。
んひゃあ!?
シエルはくすぐったさで僅かに体を跳ね上げるが慣れてきている所為か我慢は出来た。
次に腕を揉むようにしっかりと、指の隙間や爪の間を洗われていく、二の腕の辺りを現れるときもまた違ったくすぐったさが来るが鎖骨ほどでもなかった。
そのまま胸やお腹、脇や横腹などの上半身も同じように洗われていく、クルトの手つきは非常に慣れたもので脇を洗われている時はそれほどくすぐったく思っていなかった。
次第に下半身へと手を伸ばされて
バシッ!
「あんっ…お嬢様ぁ…」
下半身は自分で洗うもん!
その意思を表した抵抗をクルトの手を叩く動作で示した。
別にクルトがそういうことをしてくるわけでもないのだが、最初に洗ってもらったときにあまりにもムズムズとくすぐったくなってしまったのが余程嫌で自分で洗うことにしたのだ。
少々残念そうにするクルトを無視して掌に石鹸を広げて腰周りを自分の小さな手で洗っていく、それから股、太腿、脛、足首、指、足の裏と順番に洗っていった、もちろん入念に。
よしっ!なんだかちょっと恥ずかしいけどちゃんと洗えたもん!
洗い終わりもとの場所に座りなおすと、クルトに背中からお湯をかけられる、最初は少しずつ丁寧に流され、最後にザパアと流され、クルトに抱きかかえられながら浴槽に下ろされる。
膝の上に座る形になったシエルは後頭部でクルトの胸の感触を味わう事になってしまい、自分の視線を落としながらも胸を掌で触ってしまう。
クルトの胸…大きい…それに比べて私は…成長してない…なんだろうすごく悔しい。
「シエルお嬢様、おっぱいはまだまだこれからですよ~?♪」
「……」
……そ、そうだよね、待ってみなきゃわからないよね!
それから十分ほど湯に浸かった後「そろそろのぼせてしまいますよ~」とクルトに言われたのでお風呂場を出る。
用意されているタオルで体を拭く、だが体力が無いのかまだ小さい子供だからか早く拭くことができない、その間にメイド服に着替えたクルトがシエルの髪を拭いていく、シエルが体を拭き終わるとシエル自身の手でタオルを持って頭を拭いていく、しっかり水気が取れたのを確認すると用意された白いワンピースのような服装に着替える、クルトとシエルの服は少し変わっていて、クルトのメイド服や普段着は腰の後ろの辺りにスリットが入っていて、そこから尻尾を出してボタンで留める仕組みになっている。
シエルの服は翼がある位置にスリットが入っている、高さでいうと胸の下、腰の上の位置、そこから翼を出せるように縦にスリットが入っている物がほとんどとなっている、ルルエに拾われてからも手作りらしく非常に着心地が良い、今の服装は白いワンピース、背中にファスナーが付いており、開けるとそこから足を入れて着れるようになっている、翼がある位置には横にボタンで閉めることができるスリット、その先には丁度翼の根元が入るように穴が開いている。
ちなみに最近では翼もある程度自分の意思で動かせるようになっており、昔ほど着替えに苦労することはなくなってきていた。
よし、お着替え完了!
時刻は十五時頃、お風呂に入ってスッキリし、暖かくなった為急激な眠気に襲われ、フラフラと船を漕ぎ始める、それを見たクルトは慌てて駆け寄り、倒れる前にシエルの体を抱き上げた、脇の下から持ち上げられそのままクルトの胸に体を預ける形に抱きなおし、シエルの自室へと向かった。
「おや、お嬢様はお休みですか?」
「はい、先程非常に眠そうでしたのでお風呂上りにそのまま」
「ははは…やはりお嬢様は可愛らしい」
ダンテは微笑ましい物を見るように優しく眺めながらそういった。
ダンテは白髪白髭オールバック、肌は白く少しだけ皺があるこれぞ執事!と言いたくなるような姿をしておりかなりダンディな人である、種族は羊の獣人でトグロを巻く綺麗な巻き角は先端が空を向いているのが印象的だ。
「本当に可愛らしいですよね」
クルトは「それではお嬢様をお連れしますので失礼します」と言ってダンテと別れた。
シエルの部屋はかなり少女趣味にされており、十人の男が見たら十人が「うわぁ」と言ってしまうほど少女趣味、部屋の中には大きなクマのヌイグルミや魚などの生き物のヌイグルミが多い、他には天蓋付きの白いベッド、しかもカーテンのようなものも付いている。
特大クローゼットを開ければ未だに着られていないゴスロリ服やドレスやらがわんさかと入っている、しかも全部ルルエ手作り、ほとんどの服は白い布で作られている。
理由は単純、見た目と合いそうだからだそうだ。
「おやすみなさい、お嬢様」
「起きて下さいお嬢様。」
「……」
目を擦りクルトの顔がすぐに目に入る。
「夕食のお時間ですよ?」
「……(コクコク)」
それから夕食を食べた、ルルエはここ最近一緒に食べることは出来ないそうだ。
ま、私としてはアーテルとクルトとダンテが居れば寂しくは無いんだけどね~。
ルルエが居ないことは寂しくない訳ではない、でもそれ以上に三人と居るのは楽しいと思えているのだった。
食後、歯磨きをするために洗面台に移動する。
そこでクルトに「私がシエル様の歯を磨かせて頂いてもよろしいですか?」と言ってきた、別に困ることもないのでシエルはOKした…のだが
「は~い、口を開けてくださいね~」
あ~…んっ。
口の中って意外と気持ちいいよね←




