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8 グっと飛ばして三年後

四歳、五歳はカット。


 ということでグっと飛んで三年後。


 あれからも魔法の練習を続けて三年、ようやく結界属性と捜索属性、それから森に囲まれる屋敷の庭でいつもの日課としている【ライト】や【ウィンド】【ファイアー】などを中心にもっとも苦手な闇属性【ダーク】も一応練習している。

 ちなみに【ダーク】はどこまで行ってもピンポン玉サイズの【ダーク】しか出せなかった。


 伸びる気がしなくもないんだけど【ダーク】はどこまで行ってもピンポン玉だなあ……。


 そう思いながら日課の練習を永遠と繰り返し繰り返し練習を続けている。

 最近では頑張りすぎて四種類まで同時に使えるようになっている。

 アーテルは五種類、シエルは四種類、ルルエは三種類、ルルエは同時に四種類以上使う事は出来ないけどその分威力と精度がアーテルを圧倒していた。


 そして私シエルはそんな二人の中間、四種類同時に使え、威力はアーテル以上ルルエ未満、手数はルルエ以上アーテル未満、まさに中間、簡単に言うと器用貧乏って言ったほうがいいかも。


 それでも既に全員常軌を逸した腕前で魔法を使えるようになっていた。

 アーテル曰く「シエルの年齢でこの腕前とは…妾は少々凹む」と言っていた。

 まあそんなことは置いといて…この日、初めて剣術を扱うことになった。


「では始めるぞ?妾の動きに合わせて……ほい、この木剣を振ってみせろ」


 ひょいっと投げられた木剣は地面にカランコロンと音を立てて地面に転がった。

 それをシエルは拾い上げて―――


 ―――――ポロッ…カランコロン。


「シエル?何故木剣を落とすのだ?」


 シエルはアーテルに右手の親指と薬指で丸を作り、左胸をその右手で二回軽く叩き、そのまま右手をレンズに見立てて目の上に合わせた。

 その合図は『思考を呼んで』と伝えるものである。

 それを見たアーテルはジッと目を見てくるがもう慣れたものでシエルはさほど怖くは無くなっている。


「……(持ち上げるだけで疲れた…振るの無理)」

「はぁ?何を言うか、それはまだこれからではないか」

「……(いや今まではなんとか運動を減らして疲れないようにしてたんだけど…流石に剣は無理みたい。)」

「???…どういうことなのだ?」

「……(体力が決定的に無いみたいです。)」

「?????よく分からんな…」

「……(兎に角暫く剣術を教えてください、すぐに分かります。)」

「ふむ……そうしようか」


 それから数分、あっという間にシエルは疲れていた。

 ただ木剣を軽く振っていただけなのに。

 全身に汗をびっしょり掻き、肩で息をしている状態で地面にうつ伏せに倒れていた。

 どう見ても運動神経が無い。

 そしてシエルは思った


(あ~…運動無理)と


「何が運動無理だ……だが確かにちょいと体力が無さ過ぎだぞ」

「……(そうは言われても…これはもう天性の運動オンチとしか)

「むぅ……こういう意味だったのか、どうしようもないではないか」

「……(あはは…まあまた別の方法を考えてみるよ)」


 そう言って体を起こし、左手の親指と人差し指で輪を作り、鎖骨の辺りを軽く一回トンと叩く『もう読まないで』のサインをアーテルに送った


 それからはアーテルと屋敷に戻り、ルルエと一緒になれればまた別のことをするのがここ最近のサイクルとなっている。

 だが最近ルルエは週に一回帰ってくるかどうかって言うほどあまり帰ってこない、アーテルに聞いてみると、後一年もしたらルルエは仕事が落ち着いてかなり暇になるそうだ、それこそ年寄り並みに暇になるそうで。

 じゃあ「(仕事は何してるの?)」とアーテルに聞いてみれば「ルルエは…色々やっておる、見かける度に違う仕事をしとるぞ」アーテルは続けて「だがあやつは学校の校長が主だな、普段は代理が校長をしとるが」と言った。


 まあ私の知ったことじゃないんだけど…。


 話しを戻して屋敷内、やはりルルエの姿は無かった、ただ最近少しだけ変わった事がある。

 それは


「あっ、シエルお穣様お疲れ様です、この後どう致しますか?」


 メイドさんと


「お嬢様、お疲れ様です。」


 執事が増えたことだ、それでもルルエ、シエル、アーテル、メイド、執事の五人しかこの大きな屋敷には住んでいない。

 メイドの名前はクルト、執事の名前はダンテ


 なんだろう、女性陣皆漏れなく(ル)が名前についている、願掛け?それとも偶々?それとも遊び心?


 とか思っている間に話は進んでいき、お風呂場に連れてこられていた。

 汗でびっしょりな服にべたべたで泥まみれの体をしてたらこうなるのも別に不思議ではない。

 あっという間に服は脱がされていき、全裸、クルトに脱がされていった。

 クルトは肩甲骨まで伸ば綺麗な金色の髪はやや癖毛でふわふわしていて、穏やかな雰囲気を纏っている。

 顔立ちは大きな目にやや高めの鼻、身長は少し低めだが母性あふれる体型は子供にとって安心するだけの材料としては十分である。

 そしてなによりも特徴的なのはその頭に生えるピンと立った綺麗な狐耳が生えていて、二股の尻尾がフリフリと振られている。


 流されるようにあれよあれよとお風呂場に到着、湯気が立ち込め、木で作られた浴場は良い香りを漂わせている。


 むむむ、クルトさんの体…色々と大きい。


 シエルはクルトの体をしっかりと見ていたらいつの間にか小さな木製の腰掛まで連れられて、座らされていた、その後ろにシエルの腰掛よりも少しだけ大きい腰掛に腰を下ろすとミルクのような良い匂いのする石鹸を掌の上で広げていた。

 クルトの太腿の間に挟まれるように位置されたシエルはクルトの手で髪の毛をゆっくり丁寧に洗っていく、石鹸の混じった水が首や背中、胸を伝って床に落ちていく、丁寧に頭を洗われる気持ち良さと石鹸が目に入るか入らないかの怖さで目を細めて暫く洗われる、最後にマッサージにも似た洗い方が終わり、「シエルお嬢様、目に入らないように気をつけていただけますか?」と一声、ゆっくりと2,3度頭にお湯をかけられた。


 ふう…気持ちよかったぁ~。

今の所ダンテとクルトとの出会いを書く予定はなし

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