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痴漢考  作者: 遥(はるか)奏汰(かなた)
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第7話〜パパ活編前半

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今回は少し昔の淡い思い出とスリルについて振り返ってみました。次回は「パパ活編」の後半をお届けする予定です。どうぞお楽しみに!

 『パパ活』

 何やら不穏な響きのする言葉である。当時は援交(援助交際)と呼ばれていただろうか。要するに、パパ活」とは、主に若い女性が年上の男性(パパ)とデートや食事などの時間を過ごし、その対価として金銭やギフトなどの援助を受ける活動のことである。

 わたしの若かりし頃のお話である。若かりしと言っても十代や二十代前半というような若さではない。アラサーと呼ばれるお年頃のことだ。

 これは告白していいのかどうか……。迷ってしまう記憶ではあるけれど。

 思い切ってひと言でいってしまえば、である。私も、した事がないというわけではない。ただし、わたしは躰(からだ)を差し出す代わりに金銭を得ていたわけではない。

 行為の終わった後のお食事やお珈琲またはお散歩やお喋りが楽しくてしていたのである。

 待ち合わせの場所はいつでも上野の西郷さんの前であった。当時はまだインターネットが未発達の時代だったので、あちらこちらに待ち合わせ場所を変えてしまうとややこしくなったからである。

 パパと呼べる相手は、はっきりとは教えられなかったけど、六十代前半から後半位の好々爺であった。上野までは電車で来てくださっているようだったが、何処からなのかは訊かなかった。遠い道程をやってきているのかもしれないと思うと申し訳ない思いもあっわたけど。まあ、実をいうとわたしの方が遠かったのに違いないのだったけれど。

 待ち合わせ場所で落ち合うと直接ホテルに行くというのが相場だった。

 わたしはホテルに着いてからよりも、着く前のドキドキ感が一番好きだったから、いつでもはしゃいでいたと思う。

 だが、本当のところはお相手は六十(過ぎた高齢者に近い方だったので、あまり激しいテクニックとか、大きさとかは期待できないのを知っていた。慈善事業などというつもりはないが、センセーショナルな期待をしてもがっかりするだろうことは知っていた。

 でも2人で歩くのは歳上の旦那様とのおデートをしているかのような想像も出来、ちっとも嫌ではなかった。

 逆にご期待に添えなかったら申し訳ないという思いから、緊張もしていた。援助交際をしているという背徳感も相俟って、独特のスリル感もあるのだ。

 行為の後のご褒美(ほうび)も楽しみである。わたしは天下を取ったかというように、優越感に浸っていた。まだ、若さの残る時代であった。


【ここにて、第7話前半を締め括ろうかと思います。次回もお楽しみに】

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

当時は何気なく感じていたスリルや背徳感も、時が経った今振り返ると、どこか甘酸っぱく懐かしい思い出のように感じられます。

次回は「パパ活編」の後半として、このエピソードの続きや当時の心境をさらに深掘りしてお届けする予定です。

更新をどうぞ楽しみにお待ちください!

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