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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第三章

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元聖女様が行方不明ですわ

その話を聞いたのはある日の午後、神子様のルカさんと聖女様達の交流の日でしたわ。交流会は教会に居る聖女様全員と神子様、神官様、ユーリン様、その他の先生方でお茶やお菓子を食べながら色々お話をする会ですの。


神子様のルカさんは大きい円形テーブルの真ん中に神官様、ユーリン様、先生方と座りその両隣から年長さんの聖女様達からぐるりと座ります。私は1番下っ端なのでルカさんとは1番遠いい向かい側の席になるのです。


この様な会は月に2回開催されます。

その度にルカさんがどんどん成長して凛としたカッコ良い神子様になっていくのが分かります。何故か遠いい所へ行ってしまった様で時々寂しくなりますわ。あの島での毎日が嘘のように感じるぐらいです。


「今日は最初に皆んなに報告しなければいけない事があります」


神官様が眉間にシワを寄せて言いましたわ。皆んなが一斉に神官様を見ます。


「元聖女のカルネ殿が数日前に行方不明になりました。皆の中にはカルネ殿を知っている人もいると思います。今、国の騎士団が捜索しているのだが手掛かりが何も無く行方不明になった日もいつもと変わらず仕事を終え帰ったというのです」


神官様の報告に皆様がザワつきましたわ。私も驚きました。


「最近はこの国も治安があまり良くない。皆も外出する時は勿論護衛は付けるが自分自身でも気を付けるように」


神官様はそのような言葉でその報告を終わらせました。たまたま元聖女様だったのかしら。私は少し嫌な予感がありました。けれどそれはそっと心の奥にしまいました。悪戯に皆さんの恐怖心を煽ってはいけませんもの。


それから間もなくして私は王立図書館に行く為に外出許可をもらいました。勿論エリアス王太子様とお会いするのがメインですとなっています。そうでないとカルネ様の事件があったのでただ図書館に行きたいでは外出許可が下りないのです。


エリアス王太子様とは『信じの手紙』でやりとりをしています。その手紙で図書館に行きたいと伝えるとエリアス王太子様が大聖女様候補を王城に呼ぶ事にしようとお返事がきましたわ。そして早速教会に手紙を出してくれたのですわ。

有り難いです。


でも最近手紙には何故が『アイラ聖女に会いたい』とか『手紙にはアイラ聖女の香りを感じる』とか度々変な事が書かれていますの。手紙から香りを感じるだなんてどれだけ鼻がよいのかしら?私の香りって何ですの?


そして外出の日がきましたわ。

なんと本日の護衛に来てくれたのはお父様でした。聖騎士団長自らですの!?


「当たり前だよ?物騒な世の中になっているしアイラ聖女はアバドンからも狙われているからね。そして更に大聖女様候補だ。外に出るなら私以外の護衛は駄目だ」


ふふふ。お父様と久しぶりにお出かけしているようで嬉しいですわ。相変わらずカッコ良い。私の理想の男性はやはりお父様ですわね!一途にお母様を愛しているところも大好きですわ。


お父様はお強い騎士ですけれど流石に1人は駄目なようです。もう1人はアレイ様でした。もう裏で手を回すのもお手のものですわね。


最初は図書館ですわ。

私はバルの書物がないか探します。お父様もアレイ様も一緒に探してくれていますわ。すると静かな図書館に大きな声が響きました。


「アイラ様!アイラ様!アーイーラさーまぁぁぁぁ!」


声が聞こえる方を振り返りました。広い図書館の隅の方から女性が走ってきます。どんどん近づいて来ますが図書館ではお静かにですわ!!

よく見ると大人になっていますがあれはユリアン様!?


分かった時にはもうスレスレまで来ていましたがお父様の聖力で作った壁にパフンとぶつかってしまいました。


「聖騎士団長様、この方は私の友人のユリアン様ですわ。壁、消してもらえますか?」


「そうだったか。あ、ダリル殿の妹君だな?ダリル殿ではないからま......良いか」


少し渋っていましたが壁を解除してくれましたわ。ダリル様はいまだに会ってはいけませんの?


壁が解除されたとたんにユリアン様が抱きついてきました。そしてわんわんと泣き始めてしまいました。


「ユリアン様、お久しぶりですわ。島から2年ぶりに帰ってきた時にユリアン様にもお会いしたかったのですけれど......」


「私の馬鹿兄が大変失礼な事をしてしまって申し訳ないですわ!それで会えなくなってしまったのですよね?しかも兄は私が忙しいなどと嘘を言っていましたのよ?あの時私も一緒に行く予定を兄が私に嘘の時間を伝えていましたの!もう私は兄とは絶縁状態ですわ!」


涙で顔をぐちょぐちょにしながらあの時の事を説明してくれました。


「そうでしたの」


「アイラ様、お会いしたかったです。今日、こちらに来る事をエレク様から聞いて今か、今かとお待ちしていました。聖女様になったと聞いていましたが聖女様の制服がとてもお似合いですわ!」


あ、そういえばエレク王子様と婚約したのでしたわね!エレク王子様はエリアス王太子様から私が図書館に来る事を聞いたのですね?ご兄弟仲が良くて安心ですわ。


「遅くなりましたけれどご婚約おめでとうございます。お2人は昔からお似合いでしたわ。エレク王子様はユリアン様に怒られるのが嬉しそうでしたものね!」


と、私は思っていますの。あの時、怒られながらも少し楽しそうにしていましたものエレク王子様。


「そ、そんなことは......。あ、あの、婚約の事ですけれど......」


あ、これは私に対して申し訳ないと思っていますわね?


「ユリアン様?ユリアン様も知っての通り私は3人で居た時からエレク王子様の事はご学友の一人としてしか思っていませんでしたのよ?ですので、何も気にする事はございません」


私はそう言ってユリアン様をギュッと抱き締めて幸せになって下さいませと呟きました。

ユリアン様はありがとうと私に言ってこれから王族としてのマナーを学ぶ時間だそうで帰って行きました。今度ゆっくりお話しがしたいとも言ってくれましたわ。ふふふ。親友って良いものですわね。

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