『ジゲン』についてですわ
「その、『違うジゲン』とは何ですの!?詳しく教えて下さいませ!」
私は少しでもアクアの情報が聞けるのではないかと思いミカエル様に喰いつきましたわ!
「これは神様、天使、そして悪魔と、ある次元の人間達にしか無い知識だ。だからお前も誰にも話すなよ?」
私はコクコクと顔を縦に振りましたわ。
「この世界と並行して違う世界が存在している。絵にした方が理解しやすいな」
ミカエル様はそう言って3本の線を紙に描きました。
「こんな風に3つの世界が並んでいる。神様が創り出す世界はいつも3つひと組みだ。今、お前が存在しているこの世界と組みになっている世界の1つはここと似ている。魔力や魔法がありあちらで『金色の女神』と呼ばれている女性がいるがそれはお前と同じような立場だ。そしてもう1つの世界はこことは全然違う。魔力や魔法、聖力などは無いが文明が発達していてここの知識では到底理解できないであろうと思う。そこは次元の事は認識しているが自分達の世界に並行して違う次元が存在しているとは思っていない」
『ジゲン』の言葉を理解しているのに不思議ですわね?でも誰も違うジゲンに行った事がないのだから知らないですわよね。
「その2つが『違うジゲン』なのですね?」
「そうだ。その違う次元に悪魔だけが行き来出来る。多分悪魔自体が異質な存在で3つの世界に張られているシールドのような物を通れるのだと思う。確かな事は分からないが世界が異物を排除したくて追い出したい感じだと思う。だから悪魔が違う次元に行こうとするとすんなり出れる。行った次元は何が入って来たのか理解するのに時間がかかるから悪魔はそのまま入れる」
「世界が異物を認識した時にはその世界に既に溶け込んでいる?と、いう事ですの?」
「そうだ。あくまでも仮説なんだけどな。で、この様な3つひと組みの次元は複数存在する。それぞれの神様が創り出しているからな。そこまでは理解できているか?」
「大丈夫ですわ」
「そして次元の説明ついでに言っておくとな、3つひと組みの次元のうち1つでも世界が消滅したらあとの2つも自動的に消滅する」
「......はぁ?何なのですの?それ」
「うーん。ま~3つひと組みだから繋がってるんだよな、きっと。だから1つが無くなると引っ張られて消滅するんだと思うがこれも確かな事は分からない」
「じゃあ、あの男はこの世界を破滅させて他の2つも消滅させようとしているのですね?やはりこちらに落とされた恨みですの?」
「恨みというよりは楽しんでるだけに感じるけどね」
「あら?でも3つ共消滅してしまったらあの男も死ぬのでは?」
「それがな、アバドンは闇の力を手に入れたから悪魔と同じになったわけ。だからこの3つひと組みが消滅したら違う3つひと組みに移動するだけだ」
何と!
「もしかして、ですけれどそうやって神様が創り出した世界の全てを消滅させていくつもりですの?そのような勝手をして悪魔や魔王に怒られないのでしょうか?」
「神様は消滅させられたらまた新しい世界を創り出す。その繰り返しだ。悪魔や魔王はその新しい世界か、他の世界に移動すればよいことだからな。特別何ともないのかもしれない。しかし今回はこの世界とセットになっている別次元も神様は溺愛していて消滅させたくないらしいよ?それであの手この手で神様は頑張ってる」
「もう2つの世界も破滅に向かっていたりしますの?」
「魔力が無い方の世界はまだ、大丈夫だと思うがこれから先どうなるかは未知数だ。でもここと似ている世界の方は魔王や悪魔達が『金色の女神』を狙っているからちょっとあちらも頑張ってもらわないとってとこか」
ええーー!そうなのですの?
「あちらの女神様と私は話せませんの?」
私の言葉にミカエル様が大きい目をパチクリさせました。
「そんな考えする奴がいるとは思ってなかった......」
「え?もしかして話せますの?」
「無理だ」
まあ、そうでしょうね。
「そうですか。残念ですわ。でもあちらの女神様はこの消滅の法則はご存知ですの?」
「ああ。あっちの女神は色々あって魔力の無い世界からの生まれ変わりだから次元についても知っているし破滅についても教えてもらっていたな」
んん?あちらの世界からあちらの世界に転生とは?それも神様が色々やったのかしら?それにしても大変そうな女神様ですわ。
「そうですのね。何やら複雑な感じの女神様もご自分の世界を守ろうと戦っていますのね!ならば私もこの世界を守らなければいけませんわ!」
私は気合いを入れ直しました。
「そう、そう、その勢いで頑張れ」
むうぅ~。何か他人事のようですわね?
ミカエル様も頑張ってもらわなくてはいけませんよ?
「とりあえず私はあの男と対決しなければいけませんのね?今更ですけれどやはり私がバルになってしまったらこの世界は消滅してしまいます?」
「そりゃあお前はこの世界で1番強い聖力を持っているからな。そんなお前が化け物になって暴れてみろ?一瞬で破滅じゃないか?」
「え?1番力が強いのは神子様ではないのですか?」
「神子は治癒力は1番強いが戦うとなると大聖女の右に出る奴はいない。なんてったって大聖女は代々戦好きの戦狂だからな」
ま!なんて言われようですの!戦狂だなんて!
「まー、そう怒るなって。お前もアバドンと戦ってる時は楽しかっただろう?」
「確かに......それは否定しませんが」
ほら、そうだろう?と、ミカエル様が微笑みましたわ。そんなお顔をするとやはり天使なのですね。綺麗すぎて眩しいですわ。




