色々報告ですわ
破壊された食堂も神官様の聖力ですっかり元通りに修復されました。破壊の半分は私のせいでもあるので申し訳ないと思い修復のお手伝いしますと言ったのですが女性にそんな事はさせられないよと却下されました。
そんな事ってただ聖力で壊れた所の修復するだけですけれど?でも隣で神官様の修復能力を見て納得です。10分ぐらいで全部元通りになりましたもの。私の助けなど全然いりませんでしたね。
神官様の事を少し見直しましたわ。ただの色ボケ......ではなくて少し変わった人だと思っていましたけれど神官としての素質と才能はあるようですわ。
そして私とミカエル様とアレイ様は神官様と聖騎士団長のお父様に呼び出されあの時の状況を聞かれました。
神官様もキメラ事件の事は報告を受けているのであの男の存在は知っています。
けれど、さすがに元天使です、とは言えませんので悪魔と同じような力を持っていてこの世界を破滅させたいと言っていたとお話しましたわ。
そしてお父様も神託についての解読を神官様と共有する事にしたみたいですわ。解読した内容を伝えていました。
私はこっそりお父様に『やはりあの男が神官様を使って言わせていました』と伝えたのですが流石にあの男に言わされたと知ったら神官様のプライドが傷つくと思ったようでそこは神官様が予言した、神の声を聞いたと、いう事にしてあげていましたわ。
「その男、アバドンがアイラ聖女をバルトカピにして神子様と戦わせたいと言ったのだな?」
神官様が私に聞き返しました。
そこら辺の事も全てお話しましたの。
「はい。でも私が大聖女様にならないと意味がないようですわ。なので私さえ大聖女様にならなければ大丈夫......」
「アイラ聖女を大聖女様にしないなどそのような選択は無いよ?」
神官様、私の返事に被せるように即答ですわ。
「何故ですの?大聖女様が誕生しなければこの世界は破滅しないのですよ?わざわざそんな危険な事をしなくともよいのではないですか?」
「この国は何百年も大聖女様を待っていたのだよ?いや、何んだい?アイラ聖女が大聖女様になったらこの世界が破滅する?それなら皆が護れば良いのだ。この国には腕の立つ聖騎士達が沢山いるし、なんなら民間騎士から強い者を連れて来たって良い」
私が受けた神託は絶対だが今回だけは回避するよ、と苦笑いしていました。
ごめんなさい。神官様は神様からお言葉を受け取ってはいませんの。残念ながらあの男の言葉なので。
何だか可哀想になってきましたわ......。
そして神官様は大聖女様マニアでしたわ。目の前に大聖女様になれる、いえ、もう宣言してしまえば大聖女様の私が居るのに普通の聖女様で一生を終わらせるなんて選択肢はないのですよね。
マニアってちょっと面倒くさいですわ。
「あ、ほらそこのミカエルといったかな?その聖騎士だってアバドンと同じぐらい強いのだろう?ならば何も心配ないではないか」
「いえ、私ではまだまだです。あの時はたまたま運が良く私がした攻撃がアバドンに効いただけです」
ミカエル様が誤魔化していますわ。
「その問題はまた後々で。今はそのアバドンの行方を探して捕まえるのが先かと」
お父様が神官様に言いました。
「おお!そうだね!アルミスの言う通りだ!アバドンさえ捕まえてしまえばアイラ聖女が大聖女様になったって何も問題ないのだからね!流石アルミスだ!」
神官様が目をキラキラさせてお父様を見ています。これはまだお父様の事が好きですわね。だって乙女のお顔をしていますもの。私を狙っていると宣言してましたけれどあれは嘘ですわねぇ。
それにお父様は普通に誰でも考えつく事を言っただけですわよ?流石アルミスだ!と褒められるような事ではありませんわ。
「明日エリアス王太子様がこの事件について聞きに行きます。私とアルミスとその場にいたミカエルで最初に報告をするとして、アレイはアバドンと話もしていないしずっとシールド内にいたからこの報告会には来なくてよいです。その後にアイラ聖女と話がしたいと王太子様が言っていたのでゆっくり話すといいですよ。あの時のアイラ聖女から見た状況を話してあげて下さい」
アレイ様は神官様の神託があの男によって言わされていた事など最初の方だけですがしっかり聞いていましたけれどね。
しかし、きっと王太様の密偵ですので目立ちたくないのでしょう。何も聞いていないと神官様に報告していました。
報告が終わりましたので私は授業に参加します。まだ入ったばかりの私は同じく入ったばかりのルカさんと2人授業がありますの。
神子様と聖女様の基本的な知識は同じなので精神論やこの国の神子様、聖女様、大聖女様の詳しい歴史などなどですわ。ほぼ毎日この授業があるのでルカさんとも毎日会えます。
「アイラ!あんな事があって怖かったんじゃないかって心配してたんだ!大丈夫か?あの男、本当にしつこいな!」
まだ先生が来る前でしたのでルカさんが私の手を握って心配してくれましたわ。
ルカさんの手は暖かくて何かホッとしますわね。
「はい。大丈夫ですわ。それに少しだけあの男の正体が分かりましたの」
私はルカさんの護衛聖騎士と私の護衛聖騎士に聞こえないように小さな声でこっそり報告しましたわ。
「え!?そうなんだ!」
「はい。でも今は私しか知りません。まだ皆様には言えないのですわ。もう少ししたらルカさんにも伝えますわね」
正確には『私とミカエル様しか知らない』ですけど。多分ミカエル様は天界がこの世に存在する事を広めたくないと思っている感じがしますので今はまだ秘密ですわね。
「そうか......。じゃあ、今度教えてくれよな?」
「はい」
私達は微笑み合いました。丁度先生が教室に来たのでルカさんはバッと私の手を離しました。




