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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第一章

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戦いの始まりですわ

アクアではない?

そう思った瞬間お部屋の中で竜巻の様なものが発生しました。家具などがバラバラに壊れていきます。

アクアは私を抱きしめてシールドを張りました。マリルは自分で張っています。


荒れ狂うお部屋の中心に人影が現れました。騎士の姿の男性です。でも死人の騎士ではないようですわ。その騎士が呪文を唱えるとマリルのシールドが解除されてしまいました!


「アクア!マリルを守って!」


私は叫びます。


「えー。面倒くせぇー」


「後でご褒美あげます!」


シュッ!一瞬でマリルがお部屋の中から消えましたわ!


「部屋から出した。これで安全だろう?コイツのターゲットは俺らだからな。褒美はなんでもいいんだろう?」


アクアがワクワクしながら考えだしました。


「犯罪になるような事は駄目ですよ?」


「えー?」


えー?って。コラ!まだ私は6歳児ですのよ!そして今は考えるのはよしなさい!!


こちらに向き直った騎士の目が光りました。すると巨大な魔物が現れましたわ。

なんと表現するとよいのでしょうか。

ヌメヌメ、テカテカ皮膚のムカデを大きくした様なやつですわ。

うん。気持ち悪いですの。


「あーあ。部屋まで壊しやがってよ。とりあえずムカデ殺ってくるから大人しくしてろよ?」


そうです。この巨大ムカデが私のお部屋サイズではなかったので壁がぶち壊されてしまいましたの。お部屋の外に居たお母様率いる我が家の護衛騎士団もびっくりですわよね。それにこれではマリルをお部屋の外に出した意味がありませんわ。


アクアは私をシールドで包みながら空中に浮かせました。本人はシールドから抜け出て巨大ムカデの方へ歩いて行きます。


はっ!敵の騎士と目が合いましたわ。

この騎士もかなりの黒魔術を扱える感じが伝わってきます。つっーーと騎士の指先から細い糸の様な物が出てきました。


その糸がアクアが張ってくれたシールドを細かく切っていきます。アクアはムカデとの戦いに熱中しているのか全然気が付いていませんわ。完全にシールドが切られてしまってドサっと私は床に落ちました。顔を上げると騎士が立っていますわ。


「アイラ!伏せて!」


お母様の声です。

私はガバッと前の方に伏せました。

すると騎士の体のど真ん中をお母様の聖力ビームが通過しましたわ!

騎士のお腹にポッカリと穴が空き血が吹き出ています。


でも直ぐに穴が塞がりました。

黒魔術で再生したようですわね。

周りに護衛騎士達が寄ってきて敵の騎士を攻撃しますが全然相手になりません。

お母様はその隙に私を抱き抱え逃げようとしますが敵の騎士が追ってきますし、攻撃してきます。

これは私がこの場所に居る限り皆様の命の危機です。


「お母様、心配しないで下さいね」


私はお母様にニッコリと笑いかけてこの場から消えましたわ。

何処に行くかなど何も考えず、とりあえずこの場から離れた場所へ移動しなければと思いましたのよ。

多分あの騎士も私を追ってくるでしょう。そうすればあちらは安全ですわ。


出来るだけ遠く......。確かに我が屋敷からは遠いいですが......。まさかの北のお屋敷の中に私は立っています。こうなる事もマーレ様には分かっていたのでしょうか?誘導されてしまったのかしら?


ガタガタ!

バン!バン!


何事!?何処からこの音は聞こえるのですか?誰か居るのでしょうか?

私は音が鳴っていると思われるお部屋へ行ってみました。扉が開いていますわ。中を見ると。

ひっ!今、まさにマーレ様がダリル様の目をくり抜こうとしていますわ!

ダリル様の上に馬乗りになり何か呪文を唱えています。


ダリル様は誘拐されてしまっていたのですね?私の伝言は遅かったのですわ。


ダリル様はかなり抵抗したようでお部屋の中がぐちゃぐちゃになっています。

ダリル様の魔力の香りが漂っていますわ。うっとり。はっ!うっとりしている場合ではございません!


うごぉぉぉぉーーー!

ぐぇぐぇぐぇぐぇーーー!


毎回お聞き苦しいかと思いますがお許し下さいませね。私は聖力全開でマーレ様に光を放ちます。マーレ様が気がつきダリル様から離れましたわ!

チャァァァァーーーンス!


素早くダリル様に近寄りシールドを張ってお部屋の隅に移動させました。ダリル様は気絶していましたので好都合ですわ。心置きなく戦えます!


「やはり来たのねぇ。貴方、信じられないぐらい聖力持っていますもの。邪魔しにいらしたのね?」


「はい!邪魔しにきました!」


ここは6歳児らしく元気に受け答えですわ。


「もう、大体の事は分かっているのでしょう?私、可哀想だと思いません?国を攻められ家族を殺され無理やりスケベな国王に連れて来られて。貴方ならそんな人生我慢できます?」


うん。国王は前の人生ではスケベではありませんでしたけれど今世ではスケベなのですね。しっかり頭に入れときます。


「6歳なので分かりません」


「6歳ではないのでしょう?」


「6歳でぇぇぇぇーーーす!6歳なのでぇぇぇぇーーーす!!」


「ふふふ。どうでも良いわ」


......ですわよね。多分私が6歳だろうがなかろうが殺すわけですし。


「王族を蘇らせて復讐を?」


「復讐?違うわ。好きだった人を蘇らせてずっと一緒に居たいだけ」


え?復讐とかではなく!?


「目の前で愛しい人を殺された気持ちなど分からないでしょうね。でも分からなくてもいいわ」


あ、質問して自分で解決しましたね?

なら聞かないで下さいましよ。


「確かにお辛いのでしょう。でも私には分かりません。私はマーレ様ではありませんもの。ですが罪もない子供達を殺してまで生き返らせた人とは幸せにはなれないと思います」

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