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第十章(11) こんなに幸せでいいのでしょうか

ハロルド様が、

私を好きになってくれたことも、

沢山探してくれていたことも、

お、お嫁にもらってくれたことも、

全部とても嬉しかったのです。

私だって、ハロルド様のもとで生きれて、凄く幸せだった。

たとえ、あの人に監視され、狙われていて、生きれる時間が決まっていたとしても。


でも、私はここで生きていくことは出来ない。

だって、ハロルド様が好きになってくださったのは、今の私じゃない。

屋敷を抜け出して働いていた私じゃない。


「今のアリーナが好きだ」

「・・・・え?」

「刺繍や裁縫が出来るところも、その技術を活かして作った作品を孤児院に寄付していた優しさも、カフェで楽しそうに働いている姿も、美味しそうにケーキを食べる姿も」

「そ、そんなに褒めないでください・・・・」

それは、私が、自分の人生が終わる前に叶えたいことをしていたから。全く予想も出来なかった夢が、叶ったから。

それだけなのに。


「自分でも、知るのが遅過ぎたと思うが、君に恋をしたあの時には知らなかったことを沢山知ったんだ。あの日より、今のほうがずっと、アリーナのことが好きだよ」


ねえ、お母様。

こんなこと、誰が想像出来たでしょう?

私は、こんなに幸せでいいのでしょうか?

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