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第十章(10) 彼女の気持ちと美しい涙 By ハロルド・レイルズ
「か、勝手なことをしたと、ずっと、思ってるんだ」
色々話している間に、ついつい話しすぎている気がして、途中から凄く恥ずかしくなった。
「・・・・い、嫌なら、言ってくれ」
そうは言いながらも、不安で仕方がなかった。
もし、嫌だと言われたら?
嫌いだと言われたら、俺はどうしたらいいんだろうか?
あの日、好きになって、スタンのお陰もあって一緒に過ごすようになった最近では、結婚したあの頃よりもずっと、彼女のことを好きになっているのに。
「嫌、なわけ、ない、です・・・・」
そういうアリーナは、笑顔では無いように見えた。
「なら、なんでそんな顔を、しているんだ?」
「それは・・・・」
「なんでも、遠慮することなく、話していい」
そう声をかけた時、彼女の目が潤んだのを見た。
失礼なことはわかっている。
それでも、俺が、その瞳を、美しいと思ってしまった。
「わ、私はもう・・・・あの頃の、ハロルド様が好きになってくださった頃の、私ではないのです・・・・」
彼女は、苦しそうな顔をして、涙を流す様子ですら、美しいと、そう思ってしまう俺だった。




