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第十章(9) 昔の記憶とハロルド様の行動の意味
「そんなことが・・・・」
「ああ。あれは、君がまだ、お母様と過ごしていた頃だ」
「お母様と・・・・」
ぼんやり、思い出せる。
迷子になった子と、話をした記憶。
お母様に笑顔でお話したこともある。
お友達になれるかな?
なんて。
「あの日、俺達は、名前を聞かずに別れてしまったんだ。だから、誰なのかもわからなかった」
「ならなぜ、私を・・・・」
名前も知らない人が、なぜ、私だとわかるのだろう?
「君の家には無断で、調べさせてもらったんだ。様々な家を調べて、君のお母様の特徴などから、君の家を特定した」
「・・・・?」
「パーティーにも沢山出席して、君に会える機会を待っていた。数年経って、すでにお母様が亡くなっていることを知った」
パーティーに出席できたのは、お母様が生きていた頃だけ。
あの人がいるようになってからは、私は屋敷の外に出してもらえなかったから。
「だから、君のことを調べながら、君に会う準備をした」
「準備、ですか」
「君が生きていると知って、俺は君を迎えに行った」
「はい」
「・・・・そういうことだ」
そういうこと?
私に会う準備が、私を迎えに来る準備ってこと?
あれ、迎え・・・・?
「か、勝手なことをしたと、思ってるんだ」
私は、そのことの意味を知って、顔が真っ赤になっていることを自覚するくらい、恥ずかしくなるのでした。




