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第十章(8) これは忘れもしない、彼女と出会った日の記憶 By ハロルド・レイルズ

これは、忘れもしない、俺と彼女の出会った日の記憶・・・・。



あの日、俺は両親に連れられて、国王主催のパーティーに出席していた。

両親は色々な人に囲まれていて、俺は二人から離れないようにすることでいっぱいいっぱいだった。

途中までは必死に両親の手を握っていた俺も、終盤になると油断したんだろう。

パーティーもそろそろお開きという頃に、両親とはぐれてしまった。

どうしていいかわからず、はじめは部屋の壁際に立っていた。

しばらく経って、まだ両親が来ないと知った俺は、不安になった。

もう両親が来てくれないんじゃないかと。こんな出来損ないの自分はいらない、と両親に捨てられたんじゃないかと。

泣きそうになる自分をなんとか殺して、部屋を出た俺は、人気のない庭に出た。


お花の香りと、温かい太陽が、自分をはげましてくれてるようで、逆に泣けてきてしまった。


「ねえ、そこに誰かいるの?」

そんな声が、俺の背中側からした。

驚いて顔を上げ、後ろを振り返ると、そこには、女の子がいた。


「・・・・泣いてるの?」

「え、あ、これはっ・・・・」

泣いている男など、男としてカッコ悪いと思われただろうか?

「怪我してるの?どこか痛い?大丈夫?」

泣いている俺に、いつも母は怒ってきたのに。

その女の子は初対面の俺を心配をしてくれた。


「大人の人、呼んでこようか?」

「だ、大丈夫」

「なら、私とここでお話しましょう?」

「・・・・え?」

「クッキーです。美味しかったのでつい、もらってきてしまったの。一緒に食べましょう?」

「でも・・・・」

「甘いものは涙を飛ばしてくれる、魔法の食べ物なのよ」

その女の子の笑顔が眩しくて、明るくて、時間も忘れて話してしまった。


そうしている間に、俺の両親が俺を探しにやってきて、俺たちはそれぞれ両親のもとに帰ることにした。

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