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第十章(4) エリオット公爵の気持ちと、私の願い By リンゼイ
「・・・・これ、話、進んでませんよね」
「こうなるとは思ってたけど、まさかここまでとは・・・・」
私、私の父、女中さん、エリオット公爵の四人は二人のいる部屋のドアから、中の様子を伺っていた。
「普段からこんな感じなんですか?」
「普段は二人きりで話すことは無いんだ」
「え?」
「普段は、僕か女中さんのどっちかが一緒だからね」
えっと・・・・、話によると普段、二人は二人きりで話していないということ?
それなら、こういうぎこちない雰囲気になるのもわからなくもない・・・・
「じゃあ、なんで二人きりで話をさせてるんですか?全く進まない可能性もあるじゃないですか」
「僕がいなくても本当のことを話せるようになってほしくてさ」
「それは、そうかもですけど、今じゃなくても・・・・」
「今以外に、ハルが、自分自身と向き合う時間はないよ」
エリオット公爵は、少し悲しそうにそう言った。
「メイさん、とレイルズ公爵、お互いがお互いに、関わろうとしなかったから、こうなってしまった気がします」
「・・・・そうだね。でも、そんな奥様だからこそ、ハルは好きになったんだと思うよ」
私達はこの二人の出会いを知っている。
その想いがメイさんに伝わることを願って、私達はまた、二人の様子を伺うのだった。




