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第十章(3) 私の素直な想い
「なぜ、消えようと思った?」
その問いに、私はなんて答えようか、考えていた。
どう誤魔化しても、変な感じになってしまう。ここまで話してしまったのだから、もう、いいよね。
「お邪魔のようでしたので」
「邪魔だと?誰の」
「公爵様、貴方様のお邪魔になりそうでしたので」
「・・・・なぜ、そう思った?」
そう聞いてきた時の公爵様の声は低く、少し怖く感じました。
「私に、何もお仕事がないからです」
「それは・・・・」
「仕事もなくただ屋敷にいてほしい。それならば、もっと家柄の良い令嬢にでも任せられる。その方が公爵様の利益になると思いまして」
私の素直な想いだった。
好きでもなく、お金もなく、特技も美貌もない。
そんな私なんかより、もっと良い令嬢と婚約した方がずっと良い。
「・・・・すまない」
「謝らないで下さい。初めから分かっていたことですから」
「・・・・初めから、だと?」
「ええ」
本当は、公爵様が私と結婚してくださったあの日から、考えたらわかったはずなのに。
私は、お飾り妻として結婚することなんて。
「・・・・それで、今日はなぜここへ来られたのですか?」
さっきは話があると言っていたけれど、私ばかり話している状況だということに気が付きました。
これ以上カフェの皆様の迷惑にならないように、と、私は、公爵様に聞いてみることにしたのでした。




