第九章(9) レイルズ公爵に協力してあげたい By リンゼイ
「俺がここに居たら、また会えるかもしれないんだ」
その言葉は、私を驚かせるには十分だった。
その声はさっきまでの声とは違ってとても弱々しかったから。
「ハル?他の所に探しに行ったら・・・・」
「嫌だ。謝るために、必ず会いたいんだ」
こんなふうに言われたら、この人がメイさんのことを本当は大切に思っているんじゃないかって、勘違いする。
「ハル・・・・」
ここまで来ると、レイルズ公爵まで可哀想に見えてくる。協力してあげたいけど、メイさんにもしものことがあったら私たちは責任を取ることが出来るだろうか・・・・。
「わかりました。そのような場所でよければ、待っていてもらって構いません」
「お父さん!?」
「閉店時間までここで待つくらいいいじゃないか」
閉店時間まで?確か、今日メイさんが働きに行ってる場所の閉店時間のほうが遅かったはずだけど、メイさんがここに戻ってくることは確実。
後でメイさんに連絡するのかな・・・・。
「その代わり、というのもなんだが、ここで待つ間、少しお二人のことを聞かせてもらうことは可能でしょうか?」
「二人?レイルズ公爵と、メイさん?」
「お二人のことを私達も知ることが出来れば、メイさんを探すことに協力できるかもしれません」
私がさっき、レイルズ公爵に怒っているのは、酷い扱いをしていたと知ったから。けれど、さっきの話を聞く限り、完全に嫌っているわけではないのかもしれない。むしろ、好きなのではないだろうか。
それを私達が測るためにも、お話を聞いておく必要がある。
「・・・・わかった。話そう」
レイルズ公爵は父のお願いを受け入れたのだった。




