第九章(4) お客様の正体と衝撃発言 By リンゼイ
「話とはなんでしょうか?」
私は、お店のお客様が全員出られてから、貴族のお客様にそう質問する父を見ていた。
「ここからは私が話そう」
・・・・驚いた。
いつも聞こえないくらいの声で話していた人が、普通の声で話し始めたから。
「私はレイルズだ。隣はエリオット」
・・・・え?
レイルズとエリオットなんて名字の家は、それぞれ一つしかない。
「レイルズ公爵、エリオット公爵、今までのご無礼をお許し下さい」
やっぱり、そうなんだ。
貴族のお客様の話題に多い、この二つの家の名前。
当主が若くてイケメンとか噂していたけれど・・・・うん、確かにイケメンではある。
「そんなことはいいよ。ここでは、とても美味しい食事をさせていただいているからね」
「も、勿体ないお言葉でございます」
エリオット公爵は今までと変わらず、気さくに話しかけてくださる。
ご貴族様にこのカフェを褒めてくれたことがとても嬉しかった。
「妻もとても喜んでいた」
・・・・妻?
「近頃、お身体は大丈夫なのですか?」
「あ、ああ」
思い出した。
レイルズ公爵には奥様がいらっしゃるけど、その奥さまは身体が弱くあまり外にお見えにならない。
そういえばレイルズ公爵は前にケーキを買って行かれたけど、それは奥さまへのプレゼントだったのね。
「妻はここのお店で働きたいと過去には言っていてね」
「いくら公爵様のご命令であっても、こ、こんなところで公爵夫人をお雇いするわけにはいきません」
どうして、ご貴族様がそんなことを言うのだろう?
私達がお金を稼ぐ為に働いていることを馬鹿にしてるの?
「働いてしまったんだよ」
・・・・は?




