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第九章(2) 妻を探しに訪ねたカフェにて By ハロルド・レイルズ

「カミラ、本当にアイスティーだけでいいのかい?」

「はい、何も、食べる気が起きませんので」

「ふーん」

アリーナが働いていたカフェを訪ねた俺達だが、普通に入店して、普通に料理を頼んでいた。

「妻を探すというのはどうなった?今日は美味しく料理なんて食べてる暇はないぞ?」

「知ってるよ〜、けど、ここのお料理が美味しかったのも知ってるでしょ?」

「だ、だからといって食べきゃいけないわけでも無いじゃないか」

俺は一刻も早く、アリーナを探したいのに。

「まあまあ、ここのケーキ、持って帰ってあげようよ。つられて戻ってくるかもしれないでしょ?」

「そんな訳あるか!」

そんな事を言いながら、そんな事でもいいから帰ってきて欲しいと思っている俺もいた。


「お待たせいたしました。濃厚トマトパスタお二つと、アイスティー三つでございます」

以前ここに来た時、妻はここで給仕をしてくれていたのだろうか・・・・?

「ねえ、この前の子はどうしたの?」

スタンが唐突に店員に質問した。

「この前の子、ですか?」

「ああ。今までに見た店員の中では一番可愛いと言っても良い、金髪の少女」

可愛い、だと?

俺でも、彼女に対してその言葉を口にできていないのに。

「彼女は最近、この店にも顔を見せておりません」

その店員は淡々とその様に告げた。

・・・・嘘をついている目はしていない。

「いや、僕たちは少女と取引をしたくてね。ここでなら話が出来ると思ったんだけど」

スタンのそのセリフを聞いた時の店員の表情は少し怒っているように見えて、妻がこの店員から大切にされいたのだろうと思った俺だった。

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