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第八章(9) 俺の、少女への言えない感謝 By カフェ店長の友人

あいつの紹介で来た子は、とても可愛い子だった。

この子はご貴族様みたいな良い人に騙されていたのかもしれないと、考えてしまうくらいには。


試しにあいつの店で何をしているのかと聞くと、注文を受けているという。

あいつは、彼女にいつも出来ている仕事を任せないで、俺のところまで匿ってくれと頼んでいる。

こりゃあ、なんか訳アリだろうな。

それに、彼女はしきりに給料のことを心配していて、どれだけ可愛くてもやはり奴隷は奴隷なんだろうな、と思ってしまった。


俺の店は、常に客がいるわけじゃない。だからこそ、俺の店では、注文を受けてから全て作り始める。

彼女は、その俺の料理の様子を真面目に目をキラキラさせながら見ていた。


・・・・ああ、俺も、昔はこんな目をしていたのかもしれないな


そんな事を思い出した。

少しの工夫で食べ物は美味しくなるということに感動した、あの頃を。

それに比べ、今はどうだろう。

人気店に、カフェにお客さんを取られ、嫉妬している。メニューも人気のあるものしかない。

俺は、昔からずいぶんと変わってしまったな・・・・


「あ、あの、だ、大丈夫、ですか?」

俺の手が止まっていることに気がついた彼女が、俺にそう声をかけてきた。

「ああ、ありがとう」

俺に初心を思い出させてくれて。

流石にそんなことは言えなかったが。

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