第八章(5) メイさんを救うためには By リンゼイ
「お父さんの親友だからって、私はその人を信用出来ないわ!」
私は父の発言が信じられなかった。お金を稼がないとメイさんがどうなってしまうかなんて、知っているつもり。そんなことには絶対にさせない。けど、お店で働かせるのも怖い。だから、今日だけ前払いで払ってもいいんじゃないかって思っていたのに。「・・・・リンゼイ、私もね、メイさんの事を考えて言っているんだよ」
「どこが?!」
どこがメイさんの事を考えている、だろう?信じられない。
「リンゼイ、さっき、メイさんに私達の家に居てほしいと言っていたね」
「ええ!それが一番安全だから」
「けど、私達の家はこの家の上だ。もし、ご貴族様にこのお店が知られていたら?上に匿っている可能性を考えないとは思えないだろう?」
「そ、それはそうかもしれないけれど、匿っていないと嘘を付けばいいじゃない!」
たしかに父の言うことは正しかった。私の考えが足りなかった。
けど、だからといって外に働きに行かせる理由にはならない。
「ご貴族様がたとえ剣を持っていても?それに、リンゼイは出来るのかい?身分社会のこの国で、ご貴族様に嘘を付き、その嘘が発覚した時の罪の重さを、知らない訳ではないだろう?」
なんで、この国はこうなのだろう。
普段の社会では身分差なんて目に見えないのに。
見えないところでメイさんみたいな人たちが苦しんでいる。そして、時に残酷に私達に身分差を自覚させる。
私には、彼女を救うことは出来ないのかな・・・・
そんな考えが頭を占めた。




