なんでもしますから……
放課後
ふぅ……なんとか先生に体育祭の出場する競技言えた。
もう少しで謎のフリフリ応援団に強制組み込みされるところだったよ。助かった……。
そんなことを思いながら校舎の通路を歩いていると、後ろから切羽詰まった声が飛んでくる。
「あ、あの!」
「……」
早く帰らないとな~。猫山さん心配しちゃう
「神崎さん!」
「……んえ?」
振り向くと知らない女子が僕を呼んでいた
僕と同じくらいの身長の女子、この学校で初めて見たかも。小動物系っていうのかな?いや、それは内部的な話だっけ??ま、いいや。
てか、このひと誰だろ??同じクラスの人ではない……よね??
「えっと……僕であってる??」
「は、はい!あの……少しいいですか、っ」
「別にいいけど……」
戸惑う僕の腕を引くわけでもなく、彼女は怯えた様子でトコトコと先を歩き、そのまま屋上に続くドアの前に僕を連れ出した。
「あ、あの」
「……ん?」
「お願いが……あって、ですね」
「お願い??」
なんだろ?フリフリ着ろとかだったら流石に嫌かもだけど……
「あ、あのですね」
目の前の女の子は、小刻みに震える唇をキュッと噛み締める。
「……あの!」
そうして決心した様に前を向く
「桐島朱莉ちゃんを離してください!!」
……ん?桐島さんを、離す??ドウイウコト??
「えっと……どういうことかな??」
「私、見たんです。旧棟の空き教室から出てくる涙目の朱莉ちゃんと楽しそうな顔をした神崎さんを!!」
あ~、たしかにあの時間帯に人がいても不思議では……ない、かも??
でも……だいぶ変な勘違いされてるなぁ、これ
「あ、あのね?」
「待ってください神崎さん」
「ん??」
「タダでとはいいません」
そういうと目の前の子は自分の胸に手を置く
「私が……代わりに。身代わりになります!!」
……身代わり??ポケモン??
「いや……だからね??」
「だめ……でしょうか」
あれ、このままだと僕いじめっ子になるんだけど。流石に誤解を解きた────あ、でも?
ここで下手に誤解を解いたら、桐島さんとの旧棟での一件が学校中に広まったら、桐島さんのプライベートな事情が学校中に広まることになっちゃう。それって結果的に桐島さんの首を絞めることになっちゃうんじゃ……?
そう少し考える
「あ、あの。確かに私は朱莉ちゃんよりちっちゃいし、綺麗じゃないかもしれないですけど、何でもしますから……その、代わりに……」
そう言う彼女の声は、恐怖でどんどん小さくなっていく。
なんか……めちゃくちゃ悪いことしてる気分になってきたんだけど!?
……ひとまず、この子と桐島さんの関係をちゃんと聞いたほうがよさそうかもね?
「あのさ、色々質問したいこともあるし……一旦落ち着こ?」
「……はい」
そう聞こえて、2人して階段に座る
「まず、桐島さんと君はどんな関係なの?」
「……わたしは、小さい頃に虐められてたんです。」
……なんか、重そうな話だな、
「あ、あのさ。話したくなかったら話さなくてもいいからね……?」
「いや、話した方が代わりにしてくれる可能性が上がるのであれば話します。それで、その虐められてる時に朱莉ちゃんが助けてくれて……」
たしかに桐島さん間違ったことは真正面から壊していきそうな人だしねぇ。
僕に対してもそんな感じだったなぁ。最初だけ!
「そのせいで朱莉ちゃん前の学校で変に浮いちゃって……わたし、まだ、恩返しできてなくて」
そう言うと涙を貯める
「だから……、昨日?今日?かは忘れましたけど、朱莉ちゃんが泣いてるの見て、助けなきゃって……思って」
……あれ??この子めっちゃいい子??
「な、なるほど……」
「なので!!」
そういうと目の前の子は立ち上がる
「どうか……私を代わりにしてください……! 恩返ししてあげたいんです。もちろん、誰にもチクったり、変な噂を流したりはしません
から……っ!」
そう言って、ポロポロと涙をこぼす。
ねぇ!!完全に悪者じゃん!!えぇ……ん~
どうしよ、
「あ、あのさ?」
「……はい」
「つまりさ、僕は桐島さんと関わらないで君と関われってこと……かな?」
「いや、酷いことをしないで欲しいだけです。
その代わりに私に……私に何をしても……ってことです」
そうスカートを握りながら言う
覚悟が……違う。でも、まぁいいのかな……?
元々僕深い関係になるつもりはなかったし
「……いいよ。そうしよ」
「ッ!!ありがとうございます、」
そう言って涙を流す
ええ……ま、まぁ。めっちゃいい子なんだろうね??そういうことだよね??
そう思い涙を制服の裾で拭う
本当はハンカチが良かったけど、今日僕の手を拭くのに使っちゃったし
「……ありがとうございます」
「別にいいよ、君いい子だし」
「それは……都合のいい女ってことですよね」
「僕の事なんて思ってるの??」
そのまま少しの間涙を拭う
「……思ってたより、神崎さんがいい人だと一瞬思いましたけど、騙されませんよ」
「そう?騙されてくれても良かったんだよ?」
そうニコッと笑う
そうすると彼女は一瞬顔を赤くする
「……神崎さんは顔は確かにいいですけど、騙されません!!でも、抵抗はしません。朱莉ちゃんの為です!!」
「なんでそうなるのかな……」
……てか、なんでもしていいって言ってたよね
「まずさ、名前教えてくれるかな?」
「……はい。私の名前は方波見乙葉です、」
「そっか。なんて呼んだらいいのかな?」
「……お任せします。奴隷とか召使いとかゴミとかほんとになんでも……」
「僕をそんなドス黒い人間として扱わないでくれる!?」
「……顔のいい男性なんて、結局みんなそんなもんだって知ってますので」
「そんなことないからね??……んじゃ、とりあえず『方波見ちゃん』でお願いね」
「……はい。わたしは方波見ちゃんです」
「僕の事は陸って呼んでね」
「……よ、呼び捨てですか??」
「あれ?何でもしてくれるんじゃないの?」
「……何でもします。これからは陸って呼びます」
「うん!」
……にしても、ほんとに素直な子だね??ほんとに何でもしてくれそうで怖いんだけど??
……一応聞いてみよっか
「……あのさ、何でもしてくれるってほんと?」
「……はい。犯罪以外なら何でもします」
逆に扱いに困るよ!?何この状況!?このシチュエーション!?
「う、う~む」
「……」
う~ん。あ、でもこの方波見ちゃんなんやかんな大人しそうだし、ちょっとからかって遊ぶくらいなら……いや、いっそこのまま攻めるのもありかも!!
「あのさ、ほんとに何でもしてくれるの?」
「……何でもします」
「……じゃあさ、」
そう言って方波見ちゃんの両肩を掴む
「脱ごっか」




